「銀河堂」という骨董店で店番をしていたら、買取をしてほしいというお客さんがきた。何となく見たことがあるような男の子だった。そのときは気づかなかったが、彼は、同じ学校へ通う同級生だったのだ。ちょっとしたことから、話をする仲になったが、ある日、カメラマンを目指しているという彼から写真を貰ったら、自分が夢で見る商店街が写っていて……
「銀河堂」という骨董店でバイトをしている高校生、静流の日常のお話という感じでしょうか。持ち込まれる品に纏わるちょっと不思議なお話や、クラスメイトの友人とのやり取り、ちょっと気になる男の子のお話などが描かれています。のんびりとした青春物語という感じですね。
マイペースな静流と友人の友子の会話は、進路のことや好きな人のことなど、まるっきり日常的な話をしているのに、妙に惹かれるのは、距離感が抜群だからでしょうか。ある意味、とてもリアルなんですが、物語の雰囲気にぴったりでしたね。長い間一緒にいる友人でも、意外な姿があるんだなあということが伝わってくるところとか良かったです。
カメラマンを目指す男の子、雲井くんが、またいい具合に恋愛要素を見せてくれましたね。静流に何かを言い出そうとして、でも言えないところが、初々しいです。
普通に好きかどうかを言いよどんでいるだけかと思ったら、別方面に動いていったりして、大きな動きがあったわけじゃないんですが、過去の傷に囚われていた静流が、少しだけ前を向いていくところとか、良かったですね。
「うさぎの映画館」は、静流が夢の中で訪れる映画館のことで、過去のこと、昼間自分が体験したことなどが反映されて、特別何があるというわけでもないのに、時にハッとされる描写があるんですよね。最後に流した涙に、しんみりさせられました。
個人的にはラストの鳴海さんに関するびっくり仕掛けは微妙でしたね。途中ぐらいで出てきたなら、まだ良かったんですが……。鳴海さんの位置づけがガクッと落ちてしまい、何か、もやもやしたものが残ったまま終わってしまった気がします。う~ん。
面白い!というほどではないですが、いい話が揃っているので、のんびりした気持ちで読むのには、ちょうどいいかもしれませんね。
うさぎの映画館
殿先 菜生
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Comment:2
- chiro 2007-07-17 (火) 19:05
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私は田上俊介イラストというのに惹かれて即買いしてしまいました(笑)。
でも、読んで良かったと思います。そうか、距離感なのかもしれませんね。
さりげない何かが凄いと思ったんですが。鳴海さんの正体、全然気付きませんでしたよ。
静流と進にとっては良い結末かもしれないけど、友子にはちょっと気の毒だったかと思います(苦笑)。 - deltazulu 2007-07-18 (水) 19:57
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> さりげない何かが凄いと思ったんですが。
なんて言葉にしたらいいのかわからないですが、いいものがありましたよね。鳴海さんの正体をちょっとなあと思ってしまうのは、ついついラブ寄せして読んでしまう僕の悪いところかもしれません(笑)











