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[上月司] れでぃ×ばと!3

妙な音がしたような気がしたが、声をかけても返事はない。ひょっとしたら不審者がいる?と、秋晴が扉を開けたら、そこには半裸の美少女が立ちすくんでいた。唖然としていたら、彼女の従者が慌てて飛び込んできて、あろう事か、秋晴に刃を向けてきた。いわく、アイシェお嬢様の肌を見たならば、お嬢様と結婚するか、死か、どちらかを選べと。
どちらも選びたくないが、従者に隙はない。逃げることもできない秋晴は、何とか三日間猶予をもらったが……

メイドや執事になるための専科である従者育成科に編入した見た目ヤンキーな秋晴が、お嬢様方と繰り広げるドタバタコメディ第三弾。今回は、秋晴が戒律厳しいお嬢様の肌を見てしまったことで結婚を迫られる話と、容姿端麗で色気を振りまく四季鏡のお姉さんと出会う話と、セルニアの別荘にお泊りする話の三編からなる短編集です。

初っ端からやってくれますね。戒律のおかげで、他人に肌は一切見せないし、直接話をすることもないという、美しくも奥ゆかしいアイシェ先輩ですが、今まで出てきた女性陣の中で、一番積極的だというところが、素敵過ぎです。決断を迫られた秋晴が、何とか猶予をもらった直後に、待ち受けているとは!大地がいなかったら、この話で物語が終わっていたかもしれませんね。人って、あまりに衝撃を受けると固まるというのがよくわかります。
ようやく追い返すことができた最後の最後の不意打ちは、あまりに甘美過ぎです。惚れる。僕なら間違いなく惚れる。この話だけで終わらすのはもったいなすぎです。ぜひとも、また登場してほしいと思いました。

本人にはそんな意識はないのに、態度がエロエロな四季鏡のお姉さんが出てくる話は、没落した家庭ということで、シリアス度高めなはずなのに、まるでそんな感じがしないのは、姉妹揃ってボケボケだからでしょうか。何気ない動作がいつの間にか R指定に発展するところは、妹のドジっ子の変化バージョンっぽくて、でも秋晴は同じように迷惑を掛けられるんですね。
……がんばれ。

個人的にお気に入りにして、素晴らしかった作品は、秋晴が従育科の試験のパートナーとして、セルニアの別荘へお泊りするお話です。優越感を感じるために、秋晴を誘ったと本人も素で思ってる感じにニヤニヤさせられてしまいますが、お嬢様然として命令している姿は、何とも生き生きしてますよね。秋晴も、ひょっとしたら、なんてちょっと思ったりすることがあるんですが、あれじゃ勘違いも置きにくいよなあ。もったいない。

せっかくお泊りなのに、いつもどおりの二人の感じだなあと思っていたら、まさかお酒で秋晴がああなるとは思いませんでした(お酒は二十歳から!)。あーもう、あとちょっとだったのに!
セルニアが意識するようになったので、うふふと思っていたら、最後にはまさかまさかの出来事に驚きです。思わずツンケンした言い方になってますが、誇り高き人があんなことするんですから、もう気持ちは傾きまくってますよね。やばいやばい。ふたりとも当分お互いの顔が見れないだろうなあ。秋晴との間がいっきに狭まった気がしますね。あー、もうたまらない!

と、思いきや腹黒幼馴染が、自分の心情に疑問を抱くようになってきたので、次の巻では大きく動いていくことになりそうですね。今のところ、一番後れを取っているように思えますが、幼馴染という特権をどこまで生かしてくるか。見ものです。
今回の件で、セルニアもちょっとだけ朋美に思うところができたと思うし、このふたりの対決が楽しみですね。

れでぃ×ばと! 3 (3) (電撃文庫 こ 8-9) - 上月 司

れでぃ×ばと! 3 (3) (電撃文庫 こ 8-9)
上月 司

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