怖がりというわけでもないが、オバケとかがだめだった一馬が、ホラー映画を見に行くことになったのは、隣に住む理美に誘われたからだ。「屍鬼」と呼ばれるゾンビに襲われる話を、彼女が見に行くのは珍しいと思ったが、元となった話と撮影された舞台が、どうやら理美のお祖父さんが育った色島だったらしい。
彼女の話を聞きながら、家路を歩いていたとき、突然、腐臭がした。それは先ほど、映画の中に出てきた「屍鬼」と同じ姿をしていて……
寄生体に意識を奪われたものが屍鬼となり、隣家のお姉さん、さらにその妹が屍鬼に奪われそうになったとき、一馬の前に、寄生体「エキサイター」を操る少年と出会い……というお話ですが、ダメだ、僕には合わないや。何ていうか、ものすごく浅い感じで話が進むんですよね。設定とかは面白い感じなんだけどなあ。ホラーテイストなのに、まるで緊迫感がなかったのは残念です。
行方不明になった幼馴染たちを探していくうちに、寄生体を狩っている少年の良人と出会うんですが、先頭ものとしても微妙に盛り上がらないのは、強すぎるからかしら。
異形だろうが、数が多かろうが、敵を瞬殺しちゃうんだから、ちょっとね。
「屍鬼の女王」について知ってしまったことから、一馬が良人に対してギクシャクしていくところMも、どうにも微妙で。決断を迫られたときに迷うのは当然だと思いますが、真っ直ぐというよりは、あまり深く考えないで行動する感じには、う~ん。
最後のほうは、一馬も覚悟を決めて、わりといい感じに戦いに赴くんですが、不死身すぎるところとかが、どうにも……ノリきれませんでした。
あとがきによると、電撃hp短編小説賞に送った短編を元に長編にしたものだそうで、それを読んで、何か納得しました。たぶん、短編ならもっと面白くなったと思います。おそらくはシリーズとして、続編が出るんじゃないかなあと思いますが、長編だったらパスで。
ディストーション―屍鬼の女王
岡田 圭介
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