学校中を巻きこんだ事件から五日が経つ。休校状態だった学校は、ようやく再開し始めたが、それでもまだ完全には戻っていない。そして、晶と硝子が守ってきた日常もまた崩壊したままだった。
連れ去られた芹菜の行方がわからないまま、時は過ぎていき、晶は次第に焦り、硝子も不安を抱えはじめて……
巻頭コミックの里緒の可愛さはまさに犯罪級で、ネアの美しさにもやられました。本編の殺伐さとは、天と地ほどの差がある明るさがいいですね。
そんな明るさとは裏腹に、物語は重苦しい雰囲気に包まれていました。日常との繋がりである芹菜が、囚われの身であることからきているんでしょうね。相手の目的がわからないだけに、受身の戦いをせざるを得ない状況から来るもどかしさが伝わってきます。
個人的には、感情を得て、自分だけが抱える問題に苦しむ硝子が印象的でした。今までは、何かあるとマスターである晶を介していたのに、それすらできないという辛さが伝わってきますね。
そんな硝子を支えたのが、晶ではなく仲間であったというところが、とても良かったです。殊子の鋭く突きながらも、前を向かせる言葉には、胸を打たれるものがありますね。
晶のほうも、自分たちが変わったことが、他の人にどんな影響を与えるのかと考える様は、仲間を失うかもしれないという怖さがあったんだと思います。利用するといいつつ、実は大切な存在になっていたことに気づいていくところは、何かいいですね。
言葉にされなくても、それぞれがそれぞれの意思を持って、人のために、仲間のために、動く姿に、いつの間にか強固に結ばれた絆を感じますね。里緒の頑張りも素敵でしたが、やっぱり晶が殊子の登場に心を奮わすシーンは好きだなあ。晶からしたらどれほど心強かったか。こういう役回りをさせたら、やっぱり殊子には適わないなと思いますね。
ただ、今回の晶の気持ちがなかなかトレースできなかったなあ。ここまで両親に固執していたとは思っていなかったので、読むのがきつかったです。始まりが両親の惨劇からということなので、そのあたりの影響があるんでしょうね。
もう少し、樹の天才性が感じられれば、コンプレックスみたいなのも理解しやすい気もするんだけど……
それでも、一気に引っ張られたのは、表紙を飾った佐伯ネアが、ついに本領発揮したからでしょうね。なんだ、その強さは。目立たないように派手にいく矛盾さは、とても佐伯ネアに合ってる気がしますね。
初めて先生らしい言葉を聞きましたが、この場面でそのセリフは、あまりの素敵過ぎます。現在ネア株急上昇。
全一なる圧倒的力を得たと思ったのに、これでもまだ届かないところがあるのは、焦る気持ちすら失せるような絶望を感じますが、そんな中、迎えたラストは素敵でしたね。
これから更なる悲劇が待ち受けている気がするだけに、最後まで手を離さずに行って欲しいなと願いたくなります。
レジンキャストミルク 6 (6)
藤原 祐
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