ホロの故郷であるヨイツへの道のりと、故郷に関する話を集める道中、異教の神々の話を専門に集める修道士がいるということで、ロレンスたちはひとまずテレオを目指した。
だが、テレオにある教会で、修道院までの道のりを訪ねると、誰もが口を閉ざす始末。いったい彼らは何を隠しているのか……
テレオの村の人たちが隠していることを探っていくうちに、村の秘密に気づいて……というお話。いつものように、甘く危険な会話が魅力的で、ホロの巧みな誘導に乗せられてしまうロレンスの様子が、面白くてたまりません。
今回はいつもとちょっと違って、村と町の間の出来事に巻き込まれていく感じのお話でしたね。宗教的な話が中心で、商売的な駆け引きみたいなものは、間接的にあったというぐらいかな。ロレンスの思考が、いつもより切れてたように思えたのは、成長したからか、それともホロに鍛えられたからか。いやあ、頼りになるなあ。
ロレンスとホロの命が危険にさらされるという状況だったのに、読んでいてそれほど危機感を覚えなかったのは、ロレンスの側にホロがいたからでしょうね。むしろ、ヒヤッとしたのは、周囲の状況よりも、ロレンスが旅の終わりを意識した言葉を発した時でした。
ヨイツに行ったら、ホロはどうするんだろうってことは、誰もが思うことですが、口に出してしまえば、それは考えねばならないことになってしまいます。お互い離れがたい存在になっていることは、間違いないとはいえ、おいそれと決断を出せない問題だけに、逃避する気持ちが良くわかりますね。
テレオの出来事がヨイツを連想させて、村を救おうとする少女の行動がさらにホロを追い詰める。気丈であっても、心の揺れる様子が伝わってきましたが、安易に慰めたりせず、でも相手を支えるような言葉を投げかけるロレンスが素敵でした。
今回のロレンスのカッコよさは、ここだけじゃなかったですけどね。
「場合によっては、危険な橋を渡らないでもない」
この言葉が出てきたときのシーンで惚れました。
いやあ、面白かった。二人の間については、無理に答えを出そうとはしていないけれど、最後の最後のやり取りが、答えのひとつになっているようで、ほっと一息しつつ、にんまり。やっぱりホロかわいいよホロ。
二人の間柄がたっぷりと感じられる、素敵な結末に満足です。
とりあえず、ロレンスには、商売よりももっと難しい問題にがんばって取り組んでもらわないとね。
狼と香辛料 (4)
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