Home > ライトノベル > [水瀬葉月] ぼくと魔女式アポカリプス2 Crandle Elves Type

[水瀬葉月] ぼくと魔女式アポカリプス2 Crandle Elves Type

道を歩いていたら突然ドロップキックをくらい、ぼくは一度殺された。サンバイザーにチャイナドレス、ポニーテールという姿をした蘭乱爛崎寝々に。エベネゼルによると、間違いなく彼女は代替魔術師であるというが、寝々にはそんな意識はなく、正義の味方として行動しているだけとのこと。
劣悪に容赦なく、妙な行動が多いが、どうにも憎めないのは ― いや、考えるな……。

劣悪は正殺する自称正義の味方、蘭乱爛崎寝々と出会うお話。敵なのか味方なのか、よくわからない状況なのに、いつもどおりの捻くれ具合で応じる澪が楽しい。と、始めは思っていましたが、気づいていくにつれて、心が痛くなっていきました。
心の傷を無視しようとするあまり、逆に囚われている様子が伝わってきます。

今回はなんと言ってもエルフのレンテンシアが良かったです。拒絶されても、危険を冒してでも、己の決めたことを貫こうとする姿には、なぜそこまでという疑問があったんですが、これほどの後悔に苛まされていたとは思いもしませんでした。
恐怖に襲われながらも、目を背けることができない後悔とは、どれほどのものかと胸が苦しくなります。

ただ、不安を予感させるところから、加速していくまでの間がちょっと長くて、そのあたりが個人的には、ちょいとダレた感じがありました。各シーンごとの様子はわるくなかったんですが、つなぎ?みたいなところが、どうにも上っ面をなでるような感じだったし、言葉遊びというか、そのあたりも微妙でした。

と、思って油断してたら、まさか、こんな展開になるとは……。今まで感じていたことが、一瞬にしてひっくりかえされるとは思わなかった。澪が相手に告げた事実が示す意味を理解したとき、ズレてたものが一瞬にしてカチっとハマった感じがして、ものすごい衝撃を受けました。
すごい。すごすぎる。

だから彼女の視線はあんなにも温かさを感じたのか。だから彼の視線は……。
むしろ正気を無くすことができれば、どんなに楽かと思えるだけに、ふたりの心の動きから感じられる痛みがたまらないです。

哀しい結末に思えましたが、孤独でないだけ悪くなかったかもしれません。例え偽りであったとしても。孤独を味わいながら生きてきた人がいるだけに、そう思ってしまうのかも。
その孤独な人の思いがわかってしまったからこそ、澪は動けなかったんだろうなあ。初めから認めていれば、防げた悲劇がいくつもあっただけに、後悔しないことはないでしょうね。

いやあ、なかなかよかったです。砧川の立場も、ちょっと変わってきたし、エベネゼルの様子もちょっと違ってきたので、また新たな展開が待ち受けてそうな感じですね。
ただ、どんな展開があるにせよ、ハッピーエンドはありえないと思ってしまうだけに、今後が楽しみであり、不安でもあります。

ぼくと魔女式アポカリプス 2 (2) - 水瀬 葉月

ぼくと魔女式アポカリプス 2 (2)
水瀬 葉月

メディアワークス(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[水瀬葉月] [ぼくと魔女式アポカリプス感想一覧] [電撃文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [水瀬葉月] ぼくと魔女式アポカリプス2 Crandle Elves Type

Trackback:4

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1361
Listed below are links to weblogs that reference
[水瀬葉月] ぼくと魔女式アポカリプス2 Crandle Elves Type from booklines.net
ぼくと魔女式アポカリプス 2 from 愛があるから辛口批評! 2007-01-25 (木) 00:08
ぼくと魔女式アポカリプス 2 (2) 作者: 水瀬葉月 出版社/メーカー: メディアワークス メディア: 文庫 「えげつなかったり、きわどかったりする描...
ぼくと魔女式アポカリプス 2 Cradle Elves Type from ライトノベルっていいね 2007-02-14 (水) 19:08
ぼくと魔女式アポカリプス 2 Cradle Elves Type 著者 水瀬葉月 イラスト 藤原々々 レーベル 電撃文庫  随分待...
ぼくと魔女式アポカリプス2 from ktr の不定記というか何というか 2007-02-19 (月) 22:32
 水瀬葉月・著、藤原々々・イラスト、電撃文庫。  2月19日(月)読了。  一言...
ぼくと魔女式アポカリプス 2 Cradle Elves Type [水瀬 葉月] from ちょいヲタ?バスタア日記 2007-06-27 (水) 22:06
ぼくと魔女式アポカリプス 2 (2)水瀬 葉月 (2007/01/...

Comment:2

hobo_king 2007-01-12 (金) 01:39

どうもはじめまして。感想いつも楽しませてもらっています。
個人的に今年(まだ始まったばかりですが)の「今の所」一押しなんですが、感想見比べて行くと皆さん良かったと思った方も、良かったと思う所は随分違うみたいですね。
あと、ハッピーエンド、無いですかね? 意外にもの凄いハッピーな感じで終わる様な気もしてきているんですけど。

deltazulu 2007-01-12 (金) 11:41

はじめまして。
僕もいろいろな人の感想をみていますが、捉え方が違うのが面白いです。

ハッピーエンドはどうでしょうねぇ。
今回の場合、彼女(誰かは察してください)にとっては、ハッピーエンドなのかなとも思えるので、誰の立場で考えるかによって変わるかも。
今後どんな展開が待ち受けているか楽しみですね。

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [水瀬葉月] ぼくと魔女式アポカリプス2 Crandle Elves Type

Search
お気に入り

虜囚の姫と疎まれる第二王子の旅路を描くファンタジー。

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫) - 淡路 帆希

オーソドックスではあるんですが、各キャラの心の変化が丁寧に描かれていて、とてもいい。切ないお話ではあるんですが、最後の心に温かいものが残りました。大切にしたい思いが詰まってるお話です。 → 感想


まさかこんな素敵な青春物語が読めるなんて!

電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)

甘酸っぱく、時に遣りきれない思いに苛つくこともあるけど、高いところから飛んでしまうような青春模様が素敵でした。笑いも沢山あるし、ほんと面白かった。とてもオススメ。


聡明であるが故に孤独な少女プルーデンスと、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人が、鳥の塔に至る迷宮の謎に挑むファンタジー

鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)

世界観といい雰囲気といいハマりまくりです。知識を持つが故に、両親や兄から疎まれて、家族といても孤独を感じていた少女なんですが、それをぐっと堪えて、誇り高さを忘れない姿勢が素敵でした。続きが出てくれると最高に嬉しいです。→感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top