姫島姫の恋人は、速見殊子という女の人。世間から理解されるかわからないので、このことはトップシークレットだ。そんな秘密の付き合いであるふたりが遊園地に遊びに来たら、なんとそこに友人の硝子と、その従兄である晶先輩がいて……
遊園地での話、お弁当対決な話、夏祭りで迷子を拾う話、海に行く話、ネアの暴走につきあうお話という、虚軸な話はまるで関係ないほのぼのとしたコミカル短編集です。いやあ、タイトルがひらがなになるだけで、こんなに変わるんですね。
どれもこれも面白かったですが、個人的に大ヒットなのは「ドキドキ☆お弁当 WARS」。殊子がからかったせいで、硝子と舞鶴密がお弁当で対決する事になったお話です。始まりから火サスな雰囲気バリバリで大笑いさせられました。
何が起こったかなんてことはすぐにわかりますが、至るまでの道のりの笑えること笑えること。料理をした事がない密が、夜中に台所で包丁を構える姿は、お母さんな気分になれること間違いなしです。
ギャグ満載ですが、最後の最後で、ああだからなのか、と思わせる描写にちょっとグッとさせられました。いやあ、素晴らしいですね。
他のキャラについても、普段見れない表情をいろいろ見ることができて楽しかったですが、一番印象に残ったのは里緒ですね。避けていたところへ触れてきた人への思いに、胸が熱くなりました。
どの短編でもそうでしたが、笑いがあって、切なさがあって、時に希望を感じさせてと、いろいろなものがたっぷり詰められていて、とても素敵です。この著者は、ひょっとしたら、短編の方が映えるんじゃないかと思うぐらいです。大変堪能させていただきました。
個人的には芹菜の出番が欲しかったけど、虚軸側の人間のお話ってことなんでしょうね。次があるなら、ぜひ普通の人間方面も読んでみたいです。
れじみる。
藤原 祐
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