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[甲田学人] 断章のグリム(3) 人魚姫・上

他のロッジから泡禍が発生した疑いがあるので、騎士を派遣してほしいという要請があり、神狩屋、雪乃、蒼衣が向かうことになった。出かける矢先に幼い少女の < 断章 > が予言した童話。それは『人魚姫
この短い期間の間に三度目の予言。不吉な予感を抱えながら向かったかつて神狩屋が住んでいたという町で、神狩屋はかつて婚約していた女性の妹に出会い……

神の見た悪夢が怪奇現象となって、童話の形で現実となるシリーズ。今回はグリム童話ではなく、アンデルセンの童話『人魚姫』がモチーフになっています。
怖くて怖くてたまらないというホラーではなく、見ちゃいけないものだとわかっているのに、見ないほうが不安になってくるといった感覚のホラーですね。

いや、初っ端から描写がすごかった。視覚と触覚と聴覚に訴えかけてきますね。ずるりという感触に、うわあとなります。人魚姫でも出てくる泡に対して、こんな気持ちになるとは思わなかった。
前作まではそれほどグロさを感じなかったんですが(鈍いのかしら)、今回は一皮むけた感じです。うわ、比喩になってない。

それにしても、神狩屋にあんな過去があったとは思いませんでした。かつて愛していた人がいたという話には、涙が出そうになりました。
時折見せる表情に、未だ忘れられぬものを感じさせますが、同時に危うさも見えますね。いや、これが危うさなのか、それとも別のものなのかわかりませんが、冷静には見えない感じです。「それはあり得ない」と断言する根拠が何なのか、気になりますね。

泡禍により一気に事件が大きくなってきたところで上巻終了。
まだ全容は見えてきていないだけに、下巻が楽しみです。

断章のグリム〈3〉人魚姫(上) (電撃文庫) - 甲田 学人

断章のグリム〈3〉人魚姫(上) (電撃文庫)
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