自分のお店(洋菓子りーぶず)にお客さんがまるで入らないと、土地神である恵比寿の元へ相談に来たのは、岩薙と名乗るツクモガミの女性だった。味はたしかなので、まずは無理やりでも客を引っ張り込んでしまえと考えた恵比寿は、クーとコウに可愛らしいワンピースを着せて、客引きさせるあざといアイデアを出したが……
人さらい(人じゃないけど)とか戦闘とか、いろいろとキナ臭いことや危ないことが出てくるのに、ほのぼのとした雰囲気が物語を包んでいますね。読んでいて落ち着きます。
洋菓子屋さんを繁盛させるべく頑張る透たちから始まる物語なんですが、その裏では妙な連中が動き出してて、実は岩薙さんの正体が―という感じなんですが、ぐるりと回ってストンとハマる展開がよかったです。
今回はコウが可愛かったなあ。ミニスカートやらエプロンやらイラストが素敵!困った人を助けに行く真っ直ぐさも素敵でしたが、不器用なことを気にして、料理を学ぼうとする姿もいいですね。フォローがうまく、さりげなく毒つき、実は強い雛子さんもいい味出してました。世間って狭いねと思わせる描写にニヤリ。
透が天然なのはわかりきっていたことですが、いつの間にやら、クーの扱いがうまくなっていますね。やはり動物は餌付けか……って動物扱いしたら怒られそう。っていうか、クーが意地汚すぎです。
天然といえば、朴念仁であってもわりとしっかりしているかと思っていた昇ですが、やはり透のお兄さんだねというのん気さに微笑ましさを覚えました。
個人的に残念だったのは、佐倉さんと昇の絡みがなかったこと。言い訳しながら様子を伺ってしまうところとか、いじらしいと思いながら読んでいたんですが、すれ違いだけなんて……。もうちょっと勇気だそうよと言いたくなります。
紅葉のほうは無理やり(というのもなんだけど)約束を取り付けましたが、はたして約束は守られるんでしょうか。ものすごく罪作りな昇くんだけに、そのまま立ち消えになっちゃったりするのかなあ、なんて想像をしてニヤニヤ。
次作はもうちょっと恋愛要素を多くしてくれると嬉しいかな。
我が家のお稲荷さま。〈6〉
柴村 仁
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