三宮ナツメと七宮カセンは、ツヅミ都市で和睦を結んだが、周辺には一宮シンセンと二宮スズマが、お互いをけん制し合いながら佇んでいた。東和の平和を守るためという名目で。
そんな中、姫をクビになった空姫ことカラスミは、いつものように都市を巡ったが……
どんなに長く時が空いても、一ページ読めば、そこは七姫の世界でした。相変わらずの透き通った雰囲気が心地よくてたまらない。いつもより視点の変化が多いように思いましたが、誰が話をしているのか名前がなくてもすぐわかるのがすごいなあ。
今回は大きな戦闘こそないものの、いろいろ裏で動きまくる展開。若さの駆け引きと、トエの飄々さが見ごたえありました。緊迫というほどではないんですが、芯がある感じですね。
一宮と二宮にも駆け引きがありますが、個人的には一宮が上手かと思ってしまうのは、クロハのイメージのせいでしょうか。
たったひとりの姫がいなくなっただけで、大きく動きはじめた情勢の中、今回それぞれの宮が打った手が今後どんな状況を引き起こすのか楽しみ。
それにしてもカラスミはいい子だなあ。ものの見方が素直です。周りが大人ばかりということもありますが、資質もいいのでしょう。同じ目線で周囲を見渡せるのが、この物語の良さのひとつですね。素直な好奇心に、会ったものが皆、好感を持つのがよくわかる。
己の都市を守る立場にあるために、他の姫たちの心を許しつつも、完全に心を許すことができない微妙な揺れが辛そう。
大人の駆け引きよりも、素直な心の駆け引きが重要な位置を占めるといいなあ。
ちなみに衣装役さんの出番が今までより少し多かったです。今回も印象的な出方だったなあ。ちょっと重要な位置にいるような感じだからかしら。怪しい二人の動きを諌め、カラスミを守ろうとする衣装役さんは大好きなので、今後も期待したいですね。
七姫物語〈第4章〉夏草話
高野 和
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