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[御影] ドリームノッカー チョコの奇妙な文化祭

文化祭で行なう演劇「トイボックス」のリハーサルの最中、主役に抜擢されたチョコに電話が掛かってきた。
「早く私を見つけて」
それは見知らぬ女性の声。劇中では兄が演じる人から掛かってくるはずだったのに……。いたずらでは済まされないとして、部長から調査を命じられたチョコたちだが、「トイボックス」に纏わる不思議な出来事に巻き込まれて……

INNさんの感想に惹かれて手を出してみました。
演劇部に伝わる伝統の演劇「トイボックス」を巡るお話。リハーサルに横槍を入れた人を探すと言うミステリ展開は、なかなかいいですね。ひとつの謎が終わったら、次なる謎が提示されるところに惹かれます。

ただ、途中から違う方面に走ってしまったので、これはリアルなのかファンタジーなのかと、困惑しました。もうちょっと説明を入れてから、別展開にいってくれればなあと思ったり。
現実と夢想を行き来するような不思議な話も面白かっただけに、ちょっともったいない気がしました。

女性ばかり出てくるのせいか、百合的な雰囲気がありましたが、思わずにやりとさせられるところがいろいろありました。個性的なキャラばかりで、キスやら抱きついたりするシーンもあるんですが、一番エロスを感じたのが口紅を塗るシーンだったのは僕だけかしら。読んでいてちょっと恥ずかしかった。

一番印象的だったのは、最後の舞台かな。他愛もないはずの会話ですが、一人一人の思いが伝わってきますね。微笑ましく、愛らしく、とても切ない気持ちでいっぱいになりました。
やや退屈なところがなかったわけじゃないですが、そんな思いを吹き飛ばす、最後プロローグ的なエピローグに、それまでの展開を思い返して、思わずうるるとさせられ、すべてを包み込む最後の一行の秀逸さにやられました。
これはいいですね。この著者で他の作品が出るなら読んで見たいと思います。

ドリームノッカー―チョコの奇妙な文化祭 - 御影

ドリームノッカー―チョコの奇妙な文化祭
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