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[うえお久光] ジャストボイルド・オ'クロック

探偵業を営むジュードにかつての仲間から依頼があった。世界的に有名なウイルスデザイナーの博士が生きているか死んでいるかを確認することだった。裏切り者であるジュードに依頼せざるを得ない実情を鑑み、相棒である家電の黒猫アルと共に動き始めたが、突然殺し屋に狙われ始めて……

人は生まれたときから家電と共生していて、片方が失われれば、もう片方も死んでしまうという世界。つねに相棒と共に行動する世界で、裏切り者と呼ばれるようになったジュードと相棒のアルが繰り広げる探偵物語。

妙に癖のある文章で読みにくかった。特にはじめのほうは設定というか世界観がよくわからなかったので(しかもわりと入り組んでたので)、登場人物たちの会話についていけないところがしばしば。
Act.2 で説明が入って一通り流れがわかるようになると、そこからは俄然面白くなりました。

ハードボイルドではなくジャストボイルド、自分にとってちょうどよい固さという意味の題名ですが、いやいやいや、ちょっとセンチメンタルではありますが、なかなかハードボイルドじゃないですか。

事件そのものはさほど複雑ではないですが、裏切り者と呼ばれることになった過去を振り返っていく過程の物語がとてもいいです。「正義の味方」であったヒーローという組織から外れても、ヒーローであり続ける心意気が、熱いです。

ところどころに複雑な心情がありながらも、ジュードとアルの軽快な掛け合いで乗り越えていくというふたりの関係がとても爽快。読み終わったあと、誰かとハイタッチしたくなる物語ですね。
まだまだいろいろ広げられそうな雰囲気なので、ぜひとも続きをお願いしたいです。

ジャストボイルド・オ’クロック - うえお 久光

ジャストボイルド・オ’クロック
うえお 久光

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