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[甲田学人] 断章のグリム(2) ヘンゼルとグレーテル

『― いるわ』
骨まで凍みこむような冷たい気配が背後に立った。現れたのだ泡禍が。
だが、目の間に現れたのは、クラスメイトである委員長。
そして、その背後に駐車している車のフロントガラスには、赤ん坊のものと思われる手形がびっしりと浮かび上がっていて……。

ヒタヒタと迫り来る不気味さの秀逸さは相変わらず。
今回はヒロインである雪乃の心の中に入り込んでいく(踏みにじる?)展開でしたが、心の悲鳴を押し殺すような戦いが強烈でした。バトルとなる描写を抑えたことで、深みが増した気がします。

グロテスクな描写が取り上げられる事が多いようですが、本当に怖いのは心の歪みだなと思いました。どこか歪んでいる雪乃と蒼衣の関係は、悪い方へ考えてしまうとほんと怖いです。はたして、現実へ引き戻すための仲間なのか、それとも……
ハッピーエンドが予想できないだけに、今後の展開が気になってしかたありません。

ちなみに今回のグリム話はヘンゼルとグレーテル。
元となる話は知っていましたが、何となく読んでいた童話に対する解釈に思わず膝を打ちました。グリム童話の話をベースにしながらも、ひと捻りあるところがいいですね。

断章のグリム(2) ヘンゼルとグレーテル - 甲田 学人

断章のグリム(2) ヘンゼルとグレーテル
甲田 学人

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