外の世界を見るために、僕は汽車に乗った。
ヤドラ一族の血を引く母の研究書に書かれていた「伝授者」を捜し求めて。
だが、「伝授者」がいるといわれている地、プルコでは紛争が始まっていた。
軍が侵攻し始めたのだ。
それでもネリムは進んだ。自らの道を。
そしてついに「伝授者」のひとりに出会えた、と思った矢先に銃で撃たれた。
「死にたいのか?」
かばってくれた女性は……。
ネリムを襲う戦場の恐怖と残酷な風景。
それは心を痛めるに、破壊するに十分なもの。
平和を求めるための行動で、なぜこんなことが起きるのか。
そこで描かれているのは汚い世界。残虐な世界。
それでも読んでいて、後味が悪くないのは物語り全体に通じる透き通った雰囲気のせいか。
「僕は誰も撃たないし、殺さない。たとえ撃たれても」
そう言い切る甘い理想。まっすぐさはだけでは渡れぬ戦場。
それを、兄のように見守ってくれるユジンがいい味を出してくれてます。非常に好印象。
ネリムが味わう辛さを最後の最後で癒してくれるストーリィ展開がたまらない。
派手さはないけれど堅実なシリーズ第二巻。
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