「本来人間はいかなる状況であってもオカルトを行動の原理にすべきではない。だが……」
「だが?」
「今回ばかりは、死地に向かうようなものだ」
その雰囲気から「魔王陛下」とあだ名される空目恭一と、彼に魅せられたものが、現実と異界の狭間で起きる出来事に巻き込まれるシリーズの第十二弾。ケータイに異界から「着信」がある……そんな噂が流れる中、魔女が動き始めるお話です。
表紙のイラストがとても妖しくて、惹かれてしまうものがありますが、そんな魔女がついに動き出しましたね。何が狙いなのかよくわからなかった彼女の思いが見えたのがとても印象的でした。ある意味、非常に純粋な気持ちだよなあ。
それにしても、なるべく怪異に関わり合わないようにしようとする武巳が、一番はじめに真実に近づいていくあたりは、皮肉としか言いようがない。
「夜会」が彼にどんな影響を与えるのか気になるばかり。
気になると言えば、亜紀もまた揺れてましたね。俊也がふっきったことから、これまでを振り返り、焦り始めたのは仕方ないことかもしれません。たしかに最近の彼女は、はじめの頃にあった自信がなく、弱く感じるから、そりゃ託宣に誘惑されるよなあ。
理性ではわかっていても感情を抑えられるか、大いに気になります。
さて、電波と電話を通じて、異界とのつながりが見えたお話でしたが、ここに魔術師だけでなく、黒服が入り込んできたから油断なりません。すっかり忘れてたけど、そうだよなあ、ここまで大きくなってきたら、出てくるよなあ。
あと一冊。この四つ巴模様にどう決着をつけていくのか楽しみです。個人的には、このシリーズを通して、一番強くなったと思う綾子の活躍に期待したいな。
Missing〈12〉神降ろしの物語 (電撃文庫)
甲田 学人
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