「簡単に言うと、忠誠を誓ってもらうの。今までの赤と青の対立が、雫ちゃんによってうやむやになったじゃない。だから最初からやり直すの」
「わたしとナツルは、赤と青の代表ってこと?」
「ちょっと違うわ。決着をつけるのはナツルさん一人だけでいいの」
男としては平凡だけど、ケンプファーという戦士に変身すると美少女に。そんなナツルと彼を慕うケンプファーたちが繰り広げる学園ラブコメの第十五弾(短編集含む)。ケンプファーの秘密と、最後の戦い、そしてナツルの決断が描かれるシリーズ最終巻です。
いやあ、まさか、ナツルの選択がそこにいくとは!これはとても意外でした。でも、鈍感で、どこか他人事めいた思いばかりだったナツルが見せた本音を知ると……やられますね。熱い言葉にゾクゾクさせられた僕がいる。
まあ、選ばれる人がいれば、選ばれない人もいるので、そのあたりは……ね。特に人前で涙を見せようとしなかった彼女の思いは、切なかった。
恋愛要素はとてもよかったけれど、ケンプファーの方は……正直もやもやするものが残る。臓物アニマルの秘密や楓の変化などは興味深くあったけれど、ナツルの存在の意味が薄い気がする。まあ、目的が目的だから……だけど、それで消えた人がいるのは、悲しいなんてもんじゃないです。特に、雫は……今回彼女の心が揺れるシーンが多く、決して強いわけじゃないことが見えるところは、何とも言えない思いになりました。
それでも、悲劇を繰り返させないという意味で、終わったことは良かったと思います。
最後に彼女の言葉を聞いたとき、じわっときた僕がいる。
けんぷファー 12 (MF文庫 J つ 2-15)
築地 俊彦
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