「……もう」
伏せていた顔を、アオイは上げた。
「みんなのお陰で、私、最近泣いてばかり」
交流を求めてやってきた猫耳宇宙人・キャーティア人との異文化コミュニケーションシリーズの第十三弾。今回は、アオイの異母姉妹だという異星人・サオリがあらわれたことで、アオイが過去と向き合うお話です。
このシリーズにしては珍しく緊迫感あふれる始まりで、前作を思い出すまもなく、壮絶な姉妹喧嘩(なんて軽いものじゃないけど)に息をつく暇もありませんでしたが、力の差を経験でカバーしたアオイにホッとする。でも本題はここからなんですよね。
母に捨てられたという思いから、家族に関して意識しないよう努めていたアオイが、家族と向きあうようになっていくところがとても良かった。いまの「家族」が、騎央とエリスが傍にいてくれるからという思いが見えてきて、そのあとのご褒美……というと語弊がありそうですが、向き合ったからこそ、母の愛を感じられる言葉を得られたところに、じーんときました。
そんなアオイ話も良かったけど、交換留学話も楽しかった。キャーティアシップに潜りこんだ各国諜報管たちの慌てっぷりと、そのあとの話し合いから、キャーティア人への好意が見えてきて、微笑んでしまいました。こういう世界っていいよね! 地上ではキャーティア人が町内巡りしてたけど、いつになく興奮気味のキャーティアが可愛かった。マグロの解体ショーに釘付けになるとか、うふふってなる。
アオイの過去話に一区切りがついて、キャーティア人と人類の交換留学も無事に終り……と思ったら、最後にもうひとつ大きなことが出てきましたか。今回は過去話が中心となったおかげで、交流のほうが若干弱かったと思いますが、次は大きく動きそうですね。楽しみです。
あそびにいくヨ! 13 (MF文庫J)
神野 オキナ
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