—ねえエル。
僕らは、ふたり怪物だったけど、ずいぶん、人間らしい怪物だったね。
僕らは人間じゃないから、楽園にはいけないかもしれないけど、
どこにいても、エルがいてくれるなら、
僕には、それ以上の楽園なんてないんだ。
世界から言葉を消し去ってしまうという曰くのある「銃姫」を追う物語の第十弾。死を覚悟したセドリックが、スラファト軍との戦いに挑むお話しです。
プルートはまだ告げていない?と疑問に思う始まりでしたが(こいつは食えないったらないな)、初っぱなからセドリックがやばかった。スラファト軍の目的が精霊王を倒すことということで、五万の兵を用意するんですから。圧倒的物量作戦に乗るしかない。ただ無駄死にではなく、守る為に、救う為に、戦うことを決意するセドリックは、なんと気高いものだったか。恋敵として突っぱねていたホルスが、彼にかけた言葉に胸が熱くなる。
デスパニックの危険を感じながら、魔法を繰り出し、倒れたときにやってきたエルの姿が、どれほど嬉しかったことか。彼女もまた愛する人の為に戦って……ここで終わるわけがないと思いながら、それでも絶望的展開にどうなるかと思った。やはり水は動くか。
幸いにして生き残り、母のこと、父のことをちょっとだけ知り、魔法のない生活が、夢のような幸せを見せてくれて。ようやく、ようやく思いを遂げることが出来たのに……二人を逃すわけがないか。スラファト軍は一息ついても、帝国はさらに動く。アンが姿を消したのは、セドリックのことを思ってでしょうけれど、もちろんセドリックが見過ごすわけがなく。ここからセドリックの最後の旅が始まるわけですね。銃姫の謎やセドリックの身に関する話など、どういう結末が待っているのか楽しみです。
銃姫 10 (MF文庫J た 4-10)
高殿 円
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