「僕は、僕はただ……僕のできることを、したいようにしていただけだよ。そうだ」
手の中の、結晶が熱い。遼太郎はぎゅっと指に力をこめた。
「つまり、ここでも―僕のできることを、したいように、いっしょうけんめいにやればいい。そういうことなのかい?」
魔物退治を生業としている由緒正しき家系・跡部家の跡取りでありながら、まるで力を持たなかった遼太郎が、自称「パラケルススの娘」男装の麗人、魔術師のクリスティーナのもとへ修行に行き……19世紀のイギリスを舞台にしたシリーズの第九弾。今回は、魔術師シモンによって、イングランドに危機が訪れるお話です。
なんというクライマックス直前の盛り上がり方か!ああ、早く続きが読みたくてたまりません。
クリスティーナの変貌に、皆が皆、信じられない思いを抱えていましたが、それでも決して諦めることなく、信じ続ける人たちの何と素敵なことか。でも、そうですよね。偽悪に見えても、彼女の心には思いやりがあるんですから、伝わらないわけがない。
中でも遼太郎が素晴らしかった。一番近くにいた彼だからこそ、従僕のように扱われた彼だからこそ、告げることができる言葉は、彼女の心を揺らしてるよなあ。いつものようにおちゃらけることができず、ムキになるのは……ね。
遼太郎だけでなく、やや外におかれた美耶子たちも、そしてバ(略)も良かった。特にバ(略)の弱さが見えるところと、そんな彼を支える母の素晴らしさには、じんとくるものがありましたよ。
そういえば、さらにもう一方で動いてる猟犬リース警部も、まさかの参戦で驚きました。警部と彼のコンビは、なんかいい味出してたなあ。
イングランドを襲う闇への対抗はとても困難で、焦る気持ちはあるけれど、みなが自分たちの出来る精一杯をやっていく姿が印象的でした。
さてさて、どうやら次で最終巻となるようです。クライマックス直前ってことで、盛り上がるための要素がいろいろ詰め込まれていましたが、ここからどうなっていくのか、とても楽しみでなりません。
パラケルススの娘 9 メフィストフェレスは踊る (MF文庫J)
五代 ゆう
Home > ライトノベル > パラケルススの娘(9) メフィストフェレスは踊る / 五代ゆう
Trackback:0
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/3465
- Listed below are links to weblogs that reference
- パラケルススの娘(9) メフィストフェレスは踊る / 五代ゆう from booklines.net







