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[ヤマグチノボル] 烈風の騎士姫

「貴様……、咄嗟に狙いをはずしたな!先ほど、ぼくの堂をその杖で貫けば勝負は決まっていたはずだ!どういうつもりだ!このぼくを愚弄するのかッ!」
怒りに震える声で、カリンは叫んだ。冷静に見えたが、どうやら中には劇場を秘めているらしい。
「子供を殺せるか。それに……」
「それに、なんだ?」
「きみは美しい」

騎士を目指す男装の美少女カリンと、魔法衛士隊の見習いになったカリンの世話係に任命させられた女嫌いの騎士サンドリアンが繰り広げる魔法冒険活劇物語。

これは面白かった。
ゼロの使い魔と同じ世界のお話なので、世界観はすぐつかめますね。かつては花形だった魔法衛士隊が、まるで「呪い」のような出来事によって、だんだんと落ちぶれていったんですが、そんな中に、真っ直ぐで沸点低いカリンが入るから面白いんです。

しかも、魔法の力が強いことを過信して、いけすかない貴族に決闘で負けて悔しい思いをしていたら、騎士見習いの世話役が彼・サンドリアンになってしまうんだから、ニヤニヤですよ。女嫌いを自称するサンドリアンを前に、女であることがばれないよう気をつけつつ、でも時折見せる乙女心が……ね。

落ちぶれていたと思っていた隊も決して悪いものではなく、頼りになる仲間がいて、誇りとなる任務を任されて、共に任務をこなしていくうちに、だんだんとサンドリアンの内面の弱さを知って、彼が気になるようになってく展開がとても良かった。

隊が落ちぶれていったのは実は……というあたりは、定番という感じでしたけど、序盤の軽さとは違って、どんどん面白くなっていくんですよね。
本当は臆病だけど、「勇気」のおまじないで自分を奮い立たせていたカリンが、本当の意味で強くなっていく片鱗が見えたところには熱くなりました。

サンドリアンからすると、何とも心痛む出来事が待ち受けていましたが、きっとカリンと一緒に過ごしていけば、だんだんと心変わりして行くに違いないと思いますが、さて、どうなるのかしら。続きが大いに楽しみですね。

烈風の騎士姫 (MF文庫J) - ヤマグチノボル

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