「命運がなんだ。神々なんて勝手に喰らい合って勝手に滅びろ。わたしもシルヴィアも、クリスも、そんなものに踏みつけられるために生まれてきたわけじゃない」
周囲の者の命運を喰らう「獣の烙印」を持つクリスと、彼に殺される予知夢を見続ける少女ミネルヴァが戦場で出会い、運命をねじ曲げるために手を取りあうシリーズの第二弾。今回は、大協会奪回のために、わずか数千人で敵陣に乗り込むことになった銀卵騎士団だが、クリスの烙印が暴走し始めて……というお話。
ミネルヴァは託宣、クリスは烙印のことで、お互い言えないことがありすれ違っていくというのは、ある意味定番ですが、死を連想することだから仕方ないことではあるよなあ。まあ、ミネルヴァはもう一つの感情の方がじゃましてたんでしょうけど。
このふたりを見てるときのじれったさは、いつだってたまりません。フランティスカのGJっぷりに拍手したくなる。
とまあ騎士団のほうは、着々と進んでいましたが、一方ミネルヴァの妹シルヴィア方面は、今回メインといってもいいぐらいの濃さがありましたね。孤立する彼女を護衛するジュリオとの交流模様は、お願いだから支えになってあげてくれと祈りたくなるものがありました。
烙印の力がひとつの信頼を砕くところは、やり切れないものがありましたが、それでもジュリオには頑張ってほしかったよ。そっちにいくのはもっとあとでいいだろうに。
騎士団と王国軍の戦いによって、クリスの烙印は、大きな暴走を始めましたが、ぎりぎりのところで戻ってこれたのは、やはりミネルヴァという存在があったからでしたね。彼女の言葉はきっとクリスの心をいい意味で縛り付けると思います。
ただなあ、烙印が野心家と繋がりあるとなると……どうなってくんだろう?
一難去ったあとの一難は、これまで以上に過酷な戦いとなりそうですが、さて、魔女といわれんばかりのフランチェスカに策はあるのかしら。
剣の女王と烙印の仔 2 (MF文庫 J す 3-2)
杉井 光
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