「すごい夢中になってたわねー。どうだった?」
吉村は本を見つめ、しみじみと答える。
「……最高……だったッス。そうとしか言いようがないッス。でも……これで終わりなんスね……あとがきにあった続編ネタ、ほんとにやってくんねえかなあ……」
「それは読み終わった誰もが思うことよ」
本を読んだりお喋りしたり、たまにコスプレしたり。ライトノベルと呼ばれるジャンルについての同好の者たちが集まる日常を描いたシリーズの第三弾です。
ああ、やっぱりいいなあこのシリーズ。本屋に行ったときの嬉しさや、おバカな騒ぎ、恋愛模様などは、とても惹かれるものがあります。同じ趣味の仲間と語ったり騒いだりする楽しさが伝わってきて、この場所にいたいとツクヅク思いました。
おもしろい話はたくさんあったけど、笑いという点からいったら、「リレー小説『涼宮冬馬のU1』」と「いかんせん」が良かった。
各自一ページずつ担当するリレー小説では、くるくる変わる突拍子もない展開にクスっとなるけど、何がすごいかといったら、綾の手腕でしょう。あの展開でもBLに持っていく物語力に脱帽です(笑)。
個人的に一番笑ったのは「いかんせん」。美咲が中学の時に使っていた国語の問題集を、暦、文香、リアが解いていくというお話なんだけど、単語を使って文章を作る際の例文には吹き出しまくりでした。まじめにやってるのに、この面白さ……理屈じゃない。ほんと笑った。
あと良かったのは恋愛模様ですね。
前巻でああいう恋が描かれていたので、ふたりのシーンでは、くすぐったくなりながらも切ない思いがあったんですが、竹田への恋心が部員から見えてくると、きゅんとさせられるものがあります。特に「儚くも永久のカナシ」での告白シーンは、とてもよかった。
「カナシ」という言葉から思いを告げていくやりとりは、なんていうか、無理な力が入ることなく、スッと受け入れるものあって。むしろ告白ってこういうものなんじゃないかしらと思った次第。
竹田がどういう選択をしたか。それは読んでのお楽しみということで。
いやあ、おもしろかった。これが最終巻とはとても残念ではありますが、今後も日常系ラブコメの物語を書いてくれるとのことなので、そちらを楽しみに待っていたいと思います。
それにしても、ボーナストラック読んでると共感しまくることばかりで、ああ、平坂さんは、ラノベ読みさんなんだなあと思ったりする。
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