「でも、私たち、生きているわ」
虎紅の声は冷たく、そして……柔らかかった。
「これは訓練だもの……実践じゃなかった」
「ダイダラ」と呼ばれる異次元からの敵との戦いが繰り広げられる日本。三ヶ月の訓練と三年の「おつとめ」をしなければならない学兵の模様を描いたシリーズの第二弾。今回は、「中間演習」を控え、虎紅と理宇が近づいたことで、ミヅキが感情的になって……ミリタリーテイストを描きつつ、三角関係がますます燃え上がるお話です。
これは面白いなあ。
思春期というか、好きな人だからこそ、素直に言えない乙女心が満ちあふれてて、女の子同士の打ち明け話だと、理宇への思いを見せて可愛いのに、肝心の理宇の前に行くと、ついつい売り言葉に買い言葉してしまうミヅキの様子に、ニヤニヤが止まりません。
一緒にいる時間が長い虎紅は、さりげなく邪魔をしてくるミヅキと静かに火花を散らしたりするけれど、上官としての立場も忘れないから、格好いいんだよなあ。憎き恋敵でありながら、憎めず、むしろ敬愛してしまうミヅキの気持ちがよくわかる。
さて、今回は二十時間にもわたる「中間演習」の模様が描かれていますが、いやはや大変だ。鬼教官と化したミヅキに不満を抱いていた連中が、むしろ自分たちのためにやってくれてたんだなと思うようになるんだから、過酷なものです。上層部も人が悪いこと。
実戦でないからこそ、の戦いかもしれませんが、可能であればこのような実戦はないといいなあ。理宇たちだけでなく、他の部隊の人や上層部の間から、そこはかとなく漂ってくる恋愛模様を見ていると、そう思ってしまいますね。
にしても、理宇と虎紅は、また妙なところに放り込まれたなあ。追いかけてくるミヅキの必死さが微笑ましいですが、楽しいことよりも、大変なことが待ち受けてそうですよね(それもまた楽しいですが)。
なにが起こるのかさっぱり予想がつかないだけに、続きが楽しみです。
疾走(はし)れ、撃て!〈2〉 (MF文庫J)
神野 オキナ
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