Home > ライトノベル > [森田季節] 原点回帰ウォーカーズ

[森田季節] 原点回帰ウォーカーズ

「しんどい時期なんだ。ほら『彼ら』が何かやらかすって噂でしょ」
「あんな・の迷信・だって・思うけ・どな~」
花笛ちゃんは三拍子を刻みながら話す。
「だって誰も『彼ら』を見た人はいないんでしょ?学校の七不思議みたいなもの。心配しすぎだよ、アーちゃん」

おかしな人が集う私立御伽坂学園の中でも、学園公認のスター選手である「十哲」と呼ばれる十人は、特に奇人である。学園内の警察とも言うべき「当局」の一員であるアキラは、今日も今日とて「十哲」が引き起こす or 巻き込まれる奇妙な事件に立ち向かうが……というお話。

学園の生徒が失踪する事件、館ものの殺人事件、繰り返される一日で必ず死んでしまうヒーローを救う事件などなど……ってこう書くとそれほど変にも思えないけど、実際にはなんだこれ?と言いたくなるような奇妙な事件ばかり。最初はあまりにアレで読むのが辛かったんだけど、読み進めるとだんだん面白くなるのが不思議。

実際のところは、事件に巻き込まれる一番の原因は、学園の平和を守ろうとする十哲のNo.8、山崎章夫のせいなんですが、幼なじみの危機を何とか回避しようとするアキラの努力が涙ぐましい。ただの幼なじみじゃないってことが見えてくる展開には思わずにやりとさせられます。

そうなると、ヒーローが必ず死んでしまうという結末を迎える一日が繰り返されるお話は、アキラにとってどれだけ辛いものかと思いましたが、そもそも彼がヒーローになったのは……というあたりが明かされて収束するお話は、とても素敵なものでした。心温まる雰囲気が良かったです。
ま、すぐに戻るあたりはお後がよろしいようで、といったところでしょうか。

十哲の中でも上位三人は、特に奇人で、行動も思考もおかしいんだけど、何かとアキラのために力を貸してくれるところは良かったなあ。共通の敵である「彼ら」のこともあるけど、アキラの人徳ってのもあったんでしょうね。
っていうか、全員活躍してないし、十哲っていっても十人いらないんじゃないかと思ったりもしたけど、まあいいか。

ちなみに一番おもしろく感じたお話は、挿入小説の蚊の話でした。まさか蚊に萌える日が来るとは思わなかったぜ……。

原点回帰ウォーカーズ (MF文庫J) - 森田 季節

原点回帰ウォーカーズ (MF文庫J)
森田 季節

メディアファクトリー(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[森田季節] [MF文庫J] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [森田季節] 原点回帰ウォーカーズ

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2879
Listed below are links to weblogs that reference
[森田季節] 原点回帰ウォーカーズ from booklines.net
登場人物が変態しかいないだと・・・「原点回帰ウォーカーズ」[森田季節] from ちょいヲタ?バスタア日記 2009-02-04 (水) 22:17
おもしろかったーっ!!結末はちょっと予想外。 てっきり続いてしまうかと思ったんですけどね・・・綺麗に

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [森田季節] 原点回帰ウォーカーズ

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top