「いや、どうしたって後悔するように運命づけられている。私たちがいかに画策しようと聖剣を打つ者と鞘を継承する者、ふたりは出会い、すでに自分の意志で動き始めている」
窓の外に目をやる。軍国の方角を。
「任せましょう。未来ある若者たちに」
都市を守る騎士になることを目指す新人騎士セシリーと、刀を作ろうとしない刀鍛冶のルークが、「聖剣」を巡る戦いに巻き込まれていくファンタジーの第四弾。今回は、「聖剣」の技術交換の要望を受け、ルークとセシリーが、軍国へ向かうお話です。
ルークが技術交換話を受け入れるなんて珍しいこともあるもんだと思ってたら、そういうことか。「共に失う」というリサの言葉は、刀鍛冶として(だけじゃないけど)致命的なことを暗示してたんですね。時間がないという焦りが彼をここまで動かしたのかと思うと、なんともいえない気持ちになる。
そのことを知らずに、計らずとも言い当ててしまったリサとしては、大きな衝撃だったと思うけど、弟子として共に生きる決意をした彼女の覚悟がとても心に残りました。この二人の師弟関係って、もうひとつのドラマですよね。
一方のセシリーは、強くなった自分を実感できず、敗北を重ねることで、落ち込むこともありましたが、軍国の王を前にしても引かないところが熱いです。理想論だけど、それを貫き通せる志が素晴らしい。
もちろん、自信なんてなく、無力であることは痛感していて、時に弱音を吐きそうになるんだけど、ルークたちの姿を見て奮い立つんだから、良い関係だよなあ。
言葉だけではなく、セシリーを見てルークが変わり、ルークを見てセシリーが変わっていく。信頼があってこそ、ですよね。
それにしても、帝国は強引な手を打ってきたなあ。世界を守るために戦争をするとは、どういう理屈なんだかとあきれますが、本格的に動き出してきたシーグフリードを止めることはできるのかしら。かの人のファミリーネームの経緯も気になるところですね。
ところで、最後の二人のやりとりがニヤケてしょうがないんですが、どうしましょう。
聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス)〈4〉 (MF文庫J)
三浦 勇雄
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