「会長は怒らないのですか」
「美嶋さんのこと?」
「もちろん。四股ですよ」
お前たちが勝手にそうしたんだろ。
「何度も言ったけど、気にしてないの」
そしてさらりと言う。
「絶対私のところに戻ってくるから」
男としては平凡だけど、ケンプファーという戦士に変身すると美少女に。そんなナツルと彼を慕うケンプファーたちが繰り広げる学園ラブコメの第九弾。二分の一となってるのは、番外短編集だからですね。ナツルとのキスをめぐって、水琴、紅音、雫がそれぞれ奮闘するお話です。
あー、楽しい!あそこまであっぴろげな女の子たちの好意に気づかないって、ナツルの思考回路はどうかしてるんじゃないかと思うんですが、そんな鈍チンのナツルを相手に、振り向いてもらおうと頑張る女の子たちが可愛い……時もある。いかんせん、みんな強引すぎるから、周囲で見てると楽しいけど、当事者のナツルは大変だろうなあと思ってしまう僕がいる。ま、これだけモテてると同情しませんけどね。
水琴の強引さにはドン引きしつつ、どこか憎めないものがあったり、水琴とのデートを知った紅音は、わざわざ狂犬モードになってデートして、でも最後は奥ゆかしい間接を見せたりと、にまにま笑いが止まりませんでしたが、やっぱり最高なのは雫でした。
他のふたりからすると一歩リードしてるようにみえる雫も、雫視点からだと、追いつかれているように見える。そんな乙女心が、繰り広げる嫉妬心がたまりません。しかも策士っぷりは、水琴よりも一枚上手で、さりげなく会話を誘導して、ナツルの逃げ道をふさいでいく手腕が素晴らしすぎる。
何より、他の二人を突き放す積極性には脱帽です。強気というよりは、嫉妬や不安の裏返しから来る誘惑を見てると、ああ、雫かわいいよ雫という言葉しか思い浮かびませんでした。そこで逃げるナツルには、もうなんというヘタレなんだ……
水琴、紅音、雫が一話ずつナツルとデートして、最後にみんなが集まったら、どういう展開になるかは想像に難くないですが、それでも読んでて、頬の緩みが止められない、そんなお話でした。もうけんぷファーの戦いなんていいから、このやり取りを続けてほしいなと思う僕がいる。
けんぷファー 8 1/2 (MF文庫 J つ 2-9)
築地 俊彦
関連エントリー
[築地 俊彦]
[けんぷファー感想一覧]
[MF文庫J]
[ライトノベル]
Home > ライトノベル > [築地俊彦] けんぷファー 8 1/2
Trackback:0
- TrackBack URL for this entry
- http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2717
- Listed below are links to weblogs that reference
- [築地俊彦] けんぷファー 8 1/2 from booklines.net






