「もう、あなたしか考えられませ~ん!」
「こっ、こらっ、抱きつくな!顔をすりつけるな!」
頬をすりすりさせているマドカを、珠枝はぐい~っと強引に引きはがす。
「なんだというのだ、いったい……」
「是非、是非、ウチの学校の守り神になってくださいませっ!」
稲村智宏の家には家神様がいる。見た目小学生な家神様・珠枝は、霊格が高く、近所の妖怪たちからも一目置かれている。おかげで、妖怪たちは何かと智宏の家にやってくるようになり……妖怪たちを見ることができる眼力をもつけど、あとは普通の高校生である智宏と、彼の周辺に現れる妖怪たちとの日常を描くほのぼの物語。
以前「神様のおきにいり」として発表されていたシリーズの続編ですね。このシリーズは好きだったので、なつかしの妖怪たちがドンドン出てきてくれると楽しくなってしまいます。前シリーズを読んでない人が読んだら、登場人物多すぎて、ひょっとしたらついていくのが大変かもしれないけど、どうなんだろ。
お話としては、夏休み明けにやってきた美少女転校生・加茂遼子は、なぜか智宏を目の敵にして……というところから、学校の守り神であるマドカが引退したいと言い出して、そこへ学校へ行きたがった珠枝が便乗してと、わいわい楽しくやってくれてます。妖怪たちの無邪気な姿と裏腹に、フォローしなきゃいけない智宏は大変だなあと思いながら、ニヤニヤする僕がいる。
個人的に一番ヒットしたのは、加茂さんの可愛らしいクセです。智宏を嫌っているはずなのに、たこ焼きを見せられると……、ああ、たまらん!あの動作をイラストで見せられたら、普段のツンっぷりを許せると思いました。
加茂さんとの騒動の最中、珠枝の天敵ともいえるオオヒロが、智宏の学校の教師としてやってきて、いったい彼女の目的は何なのかという話にまでなってましたが(長編というよりは連作短編に近いよね)、智宏にちょっかいを出すオオヒロを追い出そうとする珠枝の幼い策略が楽しかったなあ。まあ、頭脳戦になったら、珠枝に勝ち目は……ねぇ?
中でも、珠枝の「呪い」のあまりのほのぼのさに、気持ちが癒されるばかり。こういう姿を見せられちゃうと、ほんと可愛い妹って感じですね。
うん、楽しかった。最後になって、転校生の加茂さんの正体からオオヒロの目的まで見えてきましたけどまあ、次も今までとあまり変わらない形で話は進むでしょうね。
「神様のおきにいり」のように、もうちょっとシリアス方面にも話が進んでほしいなと思うんですが、さて、どうなるかしら。
もふもふっ珠枝さま! (MF文庫 J う 3-7)
内山 靖二郎
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