「ねえセシリー。もしもあたしが狂っちゃうようなときがあったらさ、そのときはこの鞘に閉じ込めてね」
狂う、という穏やかでない物言いに眉をひそめたが、すぐにセシリーは不敵に笑った。
「そのときは私が君の鞘になる」
都市を守る騎士になることを目指す新人騎士セシリーと、刀を作ろうとしない刀鍛冶のルークが、「聖剣」を巡る戦いに巻き込まれていくファンタジーの第三弾。今回は、人外の獣が町を襲う事件が発生し、その後ろに隠れていた事実がセシリーの前に突きつけられるお話です。
なんていうか、セシリーの女性な部分が目立ったお話でしたね。
ルークのことで顔を赤らめる可愛い姿や、彼の心に住んでいる人の面影に心を痛めたり、というあたりまでなら、恋する乙女な悩みですが、「男」との力の差を突きつけられるあたりは、正直辛いものがありました。その前に、ルークに図星を突かれたことも、彼女の心の大きな傷になりましたよね。
自分の力が及ばないことがある。そのことを実感して動けなくなる姿は痛々しかったけれど、守りたいという思いは、自分一人が持っているわけじゃないことを知って、立ち直っていく姿が良かった。
ルークもいろいろ格好いいことやってくれてましたね。「決闘」の条件にはニヤリとしちゃいましたけど、微妙にしまらない終わりになってしまったのが残念かな。ま、ダンスをみれたので満足ですけど。
さて、人間たちは障害にぶち当たりながらも突き抜けていくようですが、それよりも悪魔側に不安が残りますね。アリアとリサが抱えてることは、これからどんな具合に大きくなっていくのか不安が募ります。
聖剣の刀鍛冶 #3 (3) (MF文庫 J み 1-11)
三浦 勇雄
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