「大地に触るんじゃないわよ……」
低い、低い、怒りを帯びた、恐ろしい声が岩場を這った。
「大地を好き勝手にボコボコにしていいのは、この私だけなんだから!」
「魔の森」と呼ばれる異世界からこちらにくる魔物を追い返している人魚とのハーフである麻生渚と、ちょっとしたことから、そのことを知ってしまった大地が繰り広げる退魔モノっぽいラブコメシリーズの第四弾。今回は、渚に芸能界デビューの話が持ちかけられて、断りきれなくなるお話です。
これは面白かった!
お互い相手のことが気になってて、何気ない一言に一喜一憂してるのに、自分の思いに気づいてなかったり、認めようとしなかったりする姿を見てると、微笑ましくなってしまいます。特に渚。三巻での出番の少なさを取り戻すかのごとく、魅力たっぷりにツンとしてくれてます。ツンだけじゃなく、例えライバルに塩を送っても、好きな人の落ち込む姿は見たくないと思うあたりに彼女の魅力がありますよね。ああ楽しい。
そんな渚に、顔出し&ドラマデビュー話が舞い込んでくるんですが、強がりながらも不安を覚えている渚に対して、大地がかけた言葉が良かった。「試すいい機会じゃないか」の一言に、渚の心がどれだけ軽くなったか。こういう積み重ねが信頼となって、いい関係になっていくんですよね。
理想と思ってた人物との食事よりも、大地と一緒に行くラーメン屋に心躍らす渚の心情にニヤリ。
魔物話は正直どうでも……と思ってたけど、二人の関係をよりいっそう深めてくれる出来事としてみていくと楽しいですね。今回の大地の戦いっぷりは、卑怯なまでに格好よかったです。
今ぐらいの距離感がとてもいいと思いながら、おまじないと称してちょっと積極的になった渚がとても素敵だったので、もうちょっと近づいてくれたらうれしいかな。次はどんな感じにラブコメってくれるのか、とても楽しみです。
渚フォルテッシモ 4 (4) (MF文庫 J き 2-4)
城崎 火也
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