俺も、あいつと同じ、遠山家の欠陥品。
正義の味方になんか、なれない。
でも……でも。
あいつの味方ぐらいになら、なれるかもしれない。
凶悪化する犯罪に対抗して新設された国際資格『武偵』を育成する教育機関・東京武偵高校で、「ある秘密」を抱えながら探偵課に所属する遠山キンジの前に、一度も犯罪者を逃したことが無いという、強襲科の超エリート、神崎・H・アリアが現れて、自分のドレイになりなさいと言い出して……というお話。
これは面白かった!
ちょっとした出来事から、成績Eランクに甘んじていたキンジの本当の力を垣間見て、自分とパーティを組ませようとするアリアのしつこさはまるで台風のようですが、跳ね除けるために彼女の熱意の正体を知ろうとして、自分に似た境遇を知ってしまい……というところにやられます。
「武偵殺し」という爆弾魔事件を一緒に追うことになったとき、「正義の味方」として生きてきた自分の姿が嫌で諦めさせようと、素の自分を出しただけなのに、そのことでアリアを傷つけてしまったら後悔するところとか見てしまうと、やっぱり、キンジは根っから正しき者の味方なんだなあと思う次第。
ヒステリックモードという、一時的に無敵状態を作り上げることができて、性根は正義の味方であって、それでも武偵になりたくないと思ってしまうキンジのトラウマや、解決率の高さを誇りながら、独走するしかないアリアの境遇など、それぞれが抱えるものについては、重いものがあるんですが、これが後々に絡んでくるから油断できないんだ。
そして後半。ちょっとした出来事から、事件の陰謀に気づいたキンジが、アリアを追いかけてからの展開は、まさにサスペンス。この物語で、まさかこんな「落ち」るものを持ってくるとは思いもしませんでしたが、大ピンチの連続を切り抜けながら、武偵としての活躍を見せる二人のパートナーシップが素晴らしかったです。
いやあ、面白かった。こんなところにも伏線があったのか?みたいなところは(ちと強引だったりするところもあるんだけど)、気づかされるとニヤリとさせられますね。
乙女の涙に自分の気持ちを気づかされるところとか、キンジの隠し事に気づきながら、必要以上に追求しないあたりにアリアの信頼を感じるところとか、ほんと良かったです。
どうやらアリアの宿敵との戦いはまだ続くみたいですし、キンジにもこれから降りかかるものがあるだろうから、どうなっていくのか続きを楽しみにまっていたいと思います。
緋弾のアリア (MF文庫 J あ 5-4)
赤松 中学
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