「ねえナツルさん」
沙倉さんの声が小さくなった。
「雫ちゃんのこと、好きになっちゃったらどうですか?」
「……へ?」
「だから、雫ちゃんのこと好きになって欲しいんです」
男としては平凡だけど、ケンプファーという戦士に変身すると美少女に。そんなナツルと彼を慕うケンプファーたちが繰り広げる学園ラブコメの第八弾。ナツル、紅音、雫、水琴、そして沙倉さんの四人でテーマパークへ行ったら、男ナツルが沙倉さんに誘われて、二人っきりで花火を見ることに……という始まりなんですが、今回は沙倉さんが怖い!
今まで天然な可愛いキャラだっただけに、うっすら笑みを浮かべながら、「雫を落として」とナツルにささやく姿が怖くて怖くてしょうがない。
おかげで、だんだんと沙倉さんの正体がわかってきましたけど、操られたナツルの暴走で、雫がすっごい可愛いことになっちゃったときにはどうしてくれようかと思った。クールなお姉さんの照れる姿に悶えたのは僕だけじゃないはず。
それにしても、好きな人にあそこまでされても、最後の一線は超えさせないプライドの高さに惚れ惚れ。
というわけで、もはや雫がいれば十分な僕ですが、紅音も頑張ってましたよねー。狂犬モードじゃないときは、控えめだった彼女が、自分から積極的に動くんだから、にんまりしちゃう。でも、決定的な言葉とか伝えても、気づいてもらえないところが、彼女のキャラらしくて可哀想だね……。
女ナツルバージョンになって、みんなで温泉入ったりとか、何気に露出度高くて、キャッキャうふふなお話……だったはずなのに、雫が時に見せるデレシーンと、沙倉さんの腹黒い姿のほうが印象に残るから恐ろしい。
それにしても、あれだけの情報から、沙倉さんを怪しむ雫はさすがだと思うけど、だからといって、力任せにいけるわけじゃないっていうところが面白くなりそうな予感をさせますね。この足かせを、雫が、ナツルが、どう裁いていくのか、とても楽しみです。
〔MF文庫J〕けんぷファー8 (MF文庫 J つ 2-8)
築地俊彦
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