「ダイダラ」と呼ばれる異次元からの敵との戦いが繰り広げられる日本では、学兵として三ヶ月の訓練と三年の「おつとめ」をしなければならない。
中学を卒業した田神理宇は、幼馴染のミヅキと同じ連隊へ配属されることになったが、そこでの訓練は、予想以上に厳しいものだった。
それでも何とか訓練を乗り切っていったある日、理宇は指導教官に呼び出され、とんでもない任命を受けることに……
これは個人的ヒット!
中学を卒業したばかりで、知識にしかない軍へと赴く少年少女の不安とか、訓練の厳しさに嘆く暇もないところとか、いろいろ辛いこともあるんだけど、仲間がいてくれることによる心強さみたいなものが感じられて、すっごい良かった。
特に、幼馴染のミヅキは、父親が軍関係者ということもあって、一言多い性格だけど、姉御肌みたいなところがあって、理宇としても、彼女の暴走を抑えながら、いろいろ頼りにしてる様子が伺えましたよね。ま、ミヅキはミヅキで、理宇という男の子の側に入れることを喜んでいたわけですが、素直になれないから、うふふってなっちゃう。
これだけでも面白いんだけど、特別他人よりずば抜けたものなど特にない理宇が、なぜか軍の切り札である数式戦車の操縦者である「魔法使い」、紫神虎紅の護衛士官として七階級特進しちゃってから、話が一気に盛り上がってくる。
魔導士官の護衛部隊ともなると危険度が大きいのに、それを新兵に任すってどういうこと?という理宇のみならず、周囲の疑問こそあれど、発令してしまったら、そんなこと考えてる暇はなくて、補佐についたミヅキが、何とかして、それなりの部隊を作り上げようと、いろいろ奮闘する姿がいじらしい。
理宇にしてもはじめは流されていたけれど、与えられた立場での仕事を学んでいくうちに、少しずつ成長していく姿を感じられるのがいいですね。この理宇の努力の間に、さりげなく虎紅とミヅキの女の戦いが、影ながら繰り広げられてるところが最高でした。
新兵ながらも命がけの部隊に任命されて、仲間やギクシャクしていた相手も、それについてきてくれたのは、ひとえに理宇とミヅキの人柄と、彼と彼女に対する信頼からだと思うんですが、このあたりの雰囲気は、一番良かったなあ。これがあったからこそ、「お祭り」であったはずの場で、急に実戦が始まったとき、必要以上に緊張しながらも、生き延びることができたんだと思いました。
いやあ、面白かった!理宇の役割が、予想以上に大きくなりそうで、ワクワクしてくる。
もちろん、虎紅とミヅキが繰り広げる夜食な戦いの続きも期待です。
オススメ!
疾走れ、撃て!
神野 オキナ
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