Home > ライトノベル > [ヤマグチノボル] ゼロの使い魔14 水都市の聖女

[ヤマグチノボル] ゼロの使い魔14 水都市の聖女

「でもわたし……、やはり耐えられそうにないんです」
ぽつりと、ルイズは言った。それから決心したように、ティファニアのほうを向いた。
「だからティファニア。お願い」
「ルイズ。あなた、まさか……」
「そう。わたしの中から、サイトの記憶を消して欲しいの」

サイトを元の世界に戻す決意をしたルイズが、何も言わずにサイトを送り出した後、ロマリアとガリアとの間で始まった戦に、聖女として参戦して……というお話です。

ああ、切ない。この大事なときにサイトを帰すなんて、と思いながらも、ギーシュたちがルイズを問い詰められないんだから、どれほど悲愴な様子だったのかが伝わってきますよね。家族の元に戻ることがサイトの幸せだと信じて、辛いのに、離れたくないのに、送り出すんだから、まったく。こういうときこそ、わがまま言っていいのにと思うんだけど、それがルイズなんですよね。
「バカね」というアンリエッタの言葉が、優しくも切なくなります。

一方のサイト方面は、ちょっとおもしろいことになってて、どうなるのかとワクワクしてたんだけど、思ったほど話が広がらなかったのは残念かなあ。でも、「始祖」との出会いは、迷いから抜け出すために必要なことだったんだろうなあ。使い魔と主人の絆が見せてくれたのかもしれませんね。

今回個人的に良かったのは、ギーシュの行動でした。いつの間にかサイトとの間に、強い友情を築いてますよねぇ。いつか帰ってくる。そう信じて戦い、仲間を纏め上げた姿が、とても印象に残りました。サイトだけじゃなくて、騎士団の連中も、成長しているんですよね。そのあたり、すっごい良かったです。

寂しさから、「虚無」を選択するルイズの姿にしんみりとしたものを感じて、さらには聖戦に巻き込まれるところに、しかも喜んで参加するところに、悲しいものを感じましたが、ピンチになっても最後まで諦めなかったところに、サイトの影が見えましたよね。ああ、なんて素敵な絆なんだろう。
悲しい選択したときから、こうなるとはわかっていたけれど、それでも、再び会えて良かったと、心から思えました。

あー、いいわ。ほんといいわ。気持ちを確認しあった者たちの絆の強さと、幸せな姿ににんまりです。
そしてそして、何より良かったのは最後の手紙ですよね。
戻りたかった場所へ戻らないという決断は、ほんと苦渋のものがあったと思います。特に、見てしまったのなら尚更でしょう。それでも、あの手紙に込められた思いを感じてしまったら、心配はするけれど、待っててくれるんじゃないでしょうか。
感謝の気持ちと前向きな言葉に、じわり。

ゼロの使い魔14 - ヤマグチノボル

ゼロの使い魔14
ヤマグチノボル

メディアファクトリー(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[ヤマグチノボル] [MF文庫J] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [ヤマグチノボル] ゼロの使い魔14 水都市の聖女

Trackback:2

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2432
Listed below are links to weblogs that reference
[ヤマグチノボル] ゼロの使い魔14 水都市の聖女 from booklines.net
ゼロの使い魔 14 from アマデウスの錯乱? 2008-05-24 (土) 17:35
ゼロの使い魔 14
ゼロの使い魔14 水都市の聖女 ヤマグチノボル from H.N.B Ausf.B 2008-06-03 (火) 22:45
ゼロの使い魔14 (MF文庫 J や)兎塚エイジ メディアファクトリー 2008-05-21売り上げランキング : 14おすすめ平均 Amazonで詳...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [ヤマグチノボル] ゼロの使い魔14 水都市の聖女

Search
お気に入り

左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!下巻が今から楽しみです。超オススメ!→上巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


わくわくするような大冒険がしてみたいな

時載りリンネ! 1 (1) (角川スニーカー文庫 203-1)時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)

本を読むことで、滋養と時を操る力を得る「時載り」一族。読書よりも遊ぶことのほうが大好きという、おしゃまな女の子・時載りのリンネと、彼女に振り回される男の子・久高が繰り広げる冒険物語。どの年代の人が読んでも楽しめる最高のジュブナイルです。→感想


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top