「でもわたし……、やはり耐えられそうにないんです」
ぽつりと、ルイズは言った。それから決心したように、ティファニアのほうを向いた。
「だからティファニア。お願い」
「ルイズ。あなた、まさか……」
「そう。わたしの中から、サイトの記憶を消して欲しいの」
サイトを元の世界に戻す決意をしたルイズが、何も言わずにサイトを送り出した後、ロマリアとガリアとの間で始まった戦に、聖女として参戦して……というお話です。
ああ、切ない。この大事なときにサイトを帰すなんて、と思いながらも、ギーシュたちがルイズを問い詰められないんだから、どれほど悲愴な様子だったのかが伝わってきますよね。家族の元に戻ることがサイトの幸せだと信じて、辛いのに、離れたくないのに、送り出すんだから、まったく。こういうときこそ、わがまま言っていいのにと思うんだけど、それがルイズなんですよね。
「バカね」というアンリエッタの言葉が、優しくも切なくなります。
一方のサイト方面は、ちょっとおもしろいことになってて、どうなるのかとワクワクしてたんだけど、思ったほど話が広がらなかったのは残念かなあ。でも、「始祖」との出会いは、迷いから抜け出すために必要なことだったんだろうなあ。使い魔と主人の絆が見せてくれたのかもしれませんね。
今回個人的に良かったのは、ギーシュの行動でした。いつの間にかサイトとの間に、強い友情を築いてますよねぇ。いつか帰ってくる。そう信じて戦い、仲間を纏め上げた姿が、とても印象に残りました。サイトだけじゃなくて、騎士団の連中も、成長しているんですよね。そのあたり、すっごい良かったです。
寂しさから、「虚無」を選択するルイズの姿にしんみりとしたものを感じて、さらには聖戦に巻き込まれるところに、しかも喜んで参加するところに、悲しいものを感じましたが、ピンチになっても最後まで諦めなかったところに、サイトの影が見えましたよね。ああ、なんて素敵な絆なんだろう。
悲しい選択したときから、こうなるとはわかっていたけれど、それでも、再び会えて良かったと、心から思えました。
あー、いいわ。ほんといいわ。気持ちを確認しあった者たちの絆の強さと、幸せな姿ににんまりです。
そしてそして、何より良かったのは最後の手紙ですよね。
戻りたかった場所へ戻らないという決断は、ほんと苦渋のものがあったと思います。特に、見てしまったのなら尚更でしょう。それでも、あの手紙に込められた思いを感じてしまったら、心配はするけれど、待っててくれるんじゃないでしょうか。
感謝の気持ちと前向きな言葉に、じわり。
ゼロの使い魔14
ヤマグチノボル
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