『まあ、艦長が久々のお酒を過ごされたのは事実だが、これから伝えることはそのまえに決定した事項だ』
自然と、車内の三人の背が伸びる。クーネと違い、この副長の言うことは無駄が無い上に重要なことが多い。
『交換留学制度を、試験的に行おうという話なのだ』
交流を求めてやってきた猫耳宇宙人・キャーティア人との異文化コミュニケーションシリーズの第十一弾。今回は、地球との交流を深めるために、交換留学制度を導入してみよう、というお話……だったんだけど、キャーティア本国からやってきたファンキーなお爺ちゃんが(注: 学者さんです)引き起こした騒動に対処してたら、終わってしまったような気がする。いや、面白かったんですけどね。
今回は、騎央よりもアオイに焦点が当たってたかな。今までとは違う環境で過ごしているうちに、裏の力が以前よりも衰えていて、そのことに愕然としつつ、迷いが見え始めてきて、なんとも切ないものがあります。そうだよねぇ。やっぱり、みんなが頑張ってるときは、自分も何か力になりたいと思うよねぇ。
このあたりの心境の変化は、とてもいいことだと思うんですが、内に内に篭ってしまうところが、アオイの悪いところでもあって。まあ、明るい人が多いだけに気づきにくいけど、真面目なんだよなあ、アオイは。
でも、そんなアオイの悩みに、真っ先に気づいて、何とかしてあげようと思う真奈美や、心を和らげてあげたエリスや、温かさと支えを感じさせてあげた騎央といった仲間たちの心遣いが、とても良かったです。
で、アオイの悩みの最中にやってきたお爺ちゃんが、銀行強盗をやってみたいとか言い出すから大変なんだけど、それにアントニアが乗ってしまうから、さらに大変なんだ。なんせ一気に現実味帯びてきてしまうんだからねぇ。アントニオの気まぐれに泣かされたサラの動揺っぷりは、かわいそうになるぐらい楽しかったけど。
ハプニングがハプニング以上になって、いったいどうなるのかと思ったけど、お爺ちゃんをきっちり納得させて終わるところがすごかった。っていうか、説教する相手が、アレってところに、何ともいえないユーモアを感じちゃいましたよ。
ただ、個人的には、騎央が中心となるお話が好きなので、そのあたりはちょっと物足りなかったかなあ。しかも、今後メインになりそうな女の子が、またひとり登場してきたし(いや、以前も出てきたけどね)。おそらくは、今後仲間になってきたりするのかなあ、なんて思いますが、さて、どうなることやら。
あそびにいくヨ! 11
神野 オキナ
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