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[築地俊彦] けんぷファー 6

雫に呼び出された。何の用かと思ったら、彼女の口から飛び出してきたのは、デートの誘いだった。ありえない。何か裏があるに決まってる。まさか、ケンプファーについての重要な問題でも見つけたのか?
本当のことを言えといっても、笑って受け流す雫にイラツキながら、ナツルはカムフラージュとおもわしきデートを受けることにしたが……

男としては平凡だけど、ケンプファーという戦士に変身すると美少女に。そんなナツルと彼を慕うケンプファーたちが繰り広げる学園ラブコメの第六弾。今回は、ケンプファー同士の戦いはなく、仲間のケンプファーである紅音や水琴、会長の雫たちと戯れる短編集風味なお話です。

いやあ、面白かった。腹黒なクラスメイト(女子部)によって、メイドなことをさせられる一編目は、いくらなんでも無理やりすぎだろというドタバタ展開で、だんだん投げやり気味になるところが面白かったりしますが、ま、そのあたりは、どうでもいい。今回一番良かったのは、雫ですよ、雫。

何を考えているのかわからないミステリアスさが持ち味だった会長ですが、ナツルへの好意が見えまくり!ナツルの誤解を利用して、さりげなくデートに誘う策士っぷりがたまりません。
今までの行いが行いだけに、ナツルがまるで振り向いてくれないところは、不憫に思ったりしますが、へこむどころか悠然と相手をリードする姿が格好いいです。時折見せる嫉妬な言葉が、ああ、可愛い。

おかしいだろ!と全力でツッコミたくなるぐらいナツルの鈍さは際立ってましたが、それでも会長は、今回のデートで、自分がやりたかったこと、相手にやらせたかったことは、きっちり成し遂げたでしょうね。
こっそりとキスするだけじゃなく、最後には望みを叶えるところに、さすが!と感心。

何気に会長はいい思いをしまくってましたが、紅音も結構いい思いしてましたよね。図書館でナツルとふたりっきりになったときのチャンスを逃さないところとか、昔に比べたら積極的になったよなあと思うばかり。
この状況で、沙倉さん話を持ってくるナツルの無神経っぷりには呆れましたが、消去法とはいえ、紅音に対して、素敵な言葉を投げかけてあげたところに、グッジョブ!と言いたくなりました。そりゃ紅音も驚きで変身しちゃうわ。

いやあ、面白かった。こういった恋愛事情のぶつかり合いは、ほんと楽しいですね。個人的には、会長とぜひと思うけど、ナツルの心情を考えたら紅音のほうが有利だよなあ。いや、このぐらいの劣勢、雫なら何とかするに違いないと、彼女の策士っぷりを願ってみる。

けんぷファー 6 (6) (MF文庫 J つ 2-6) - 築地 俊彦

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