空中要塞都市を襲っていた竜たちが、「最も古き竜」の罠に捕らわれていたころ、水星はヒロを刺した玲子に手を貸し、ヒロだった全てのものを消滅させた。
「立木ヒロは失敗した。その現実に合わせて、私も動こうというだけのことだ」
滅びへと向かう王国を前に、麻奈とセシリアがやつれていく中、竜の開放を目的とした作戦「アイスアウト」が動き始めて……
うーん、つまらないわけじゃないけれど、前作のあの強烈な引きから期待したほどではなかったなあ。何が起きているのか理解できないまま衝動的に動くところや、喪失感に駆られる女性陣の描写が切ないだけに、復活のところで、もうちょっと盛り上がってくれるかと思っただけに、拍子抜けするものがある。
それでも、ヒロと麻奈の関係は良かったですね。いろいろ匂わせながらも、最後まではっきりしたものは見せませんでしたが、距離感は好ましいものでした。セシリアのいう「家族」な雰囲気も温かかったです。律がもうちょっとなあ……とか言い出すと、際限ないんで止めとく。
そんな具合に、キャラクタはとても魅力的だったんですが、早すぎる展開には、ちょっとなあ。「ラタトスク」を手にしたヒロが戻ってきてからは、情報量が多い上に、どんどん話が進んでいくので、なぞって行くのがやっとでした。 前作までは魅力的だった細かな設定が、逆に足を引っ張った感じがする。って、単に僕がついていけてないだけかもしれないけど。
スケールがどんどん広がっていき、まさかのラスボスに対しては、どう足掻いても勝てこないだろうと思ったら、やってくれるぜ、麻奈さん。やっぱりあなたは最高だ。
一周して終わるようなラストはとてもきれいでしたが、その後の彼らの姿も見たかったという気持ちもありました。いろいろ詰め込んだおかげで、このあたりが物足りなくもありましたが、シリーズをとおしてみたら、面白かったですね。
次にどんなシリーズで物語を展開してくれるのか、楽しみで仕方ない。
モノケロスの魔杖は穿つ4
伊都工平
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