Home > ライトノベル > [七位連一] 地を駆ける虹

[七位連一] 地を駆ける虹

英雄にあこがれたネイブは、友人たちと共に賞金首狩り(ロット)を始めた。だが、「エレメント」の卵が孵化しないネイブは一人お荷物状態。今日もコソ泥相手に苦戦をしたのは、ネイブが足を引っ張ったせいだ。他に何ができるわけでもないネイブは、気持ちこそはやるものの、惰性のまま日々をすごしていたが、それでも唯一の家族である妹には、嘘をついて心配をかけまいとしていた。
ところがある日、見るも怪しい卵の「判別師」である千里眼が、町を訪れて……

英雄を目指しながらも、仲間の足手まといとなっていた少年の身に、ある日、悲劇が襲い掛かってきて……というお話です。

うーん。つまらなくはないんだけど、好みじゃないなあ。というのも、主人公たるネイブがどうにも気に入らないんです。エレメントが使えないことで引け目を感じるのはわかるんですが、努力もせず、それでいてパーティを抜けることを怯えるって、どれだけ情けないんだか。「卵が孵化しないこと」だけをもって、被害者意識的なものを持ち歩いてる姿は、読むのが痛くて痛くてしょうがなかったです。

特に、妹のハルに対して嘘をつくところは、読んでてつらかったなあ。ありもしない武勇伝を語ると喜んでくれる妹。たぶん、始めは、何の気なしだったんでしょうね。思った以上に喜んでくれたのは、取り柄が無いネイブにとって、嬉しいことでもあり、妹へ心配をかけたくないという思いもあったんでしょうね。

嘘に嘘を重ねていくうちに焦燥感に囚われて、だんだんと取り返しがつかなくなっていくところは、痛さよりも辛さのほうが大きかったですが、ちょっとつつかれただけで、仲間さえ疑うようになってしまうんですから、もう、限界だったんでしょうね。ネイブのことを大切に思ってくれている人たちを振り切ったときに、崩壊は決まってしまったんだと思いました。

ただ、ここからの展開はちょっと物足りなかったです。なかなか孵化しない卵を持っている人は……ってところは、まあ、お約束だから良いとして、あれで絶望といわれてもなあ。鬱展開というには、落差がなさすぎ。ひでえ、とは思ったけど、むしろ、自業自得と思ってしまう僕がいる。もうちょっと成長物語っぽくなってくれたら、好きになれそうだったんだけどな……。

たぶん、続くことになると思いますが、個人的には合わなそうな気がするので、続編は様子見で。
第3回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作。

地を駆ける虹 - 七位 連一

地を駆ける虹
七位 連一

メディアファクトリー(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[七位連一] [MF文庫J] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [七位連一] 地を駆ける虹

Trackback:3

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1952
Listed below are links to weblogs that reference
[七位連一] 地を駆ける虹 from booklines.net
地を駆ける虹/七位連一 from 狭間の広場 2007-09-24 (月) 21:08
七位 連一 地を駆ける虹 (MF文庫 J な 3-1) ――――ごめんなさい、無理でした。 【ネイブは、英雄に憧れていた――。 人の...
[書評][七位連一][地を駆ける虹][シリアス][ファンタジー][アクション][★★★★★]地を駆ける虹 from いつも感想中 2007-10-02 (火) 20:28
地を駆ける虹 (MF文庫 J な 3-1) 作者: 七位連一 出版社/メーカー: メディアファクトリー 発売日: 2007/09 メディア: 文庫 スト...
地を駆ける虹 from Alles ist im Wandel 2007-10-23 (火) 02:04
地を駆ける虹 (MF文庫 J な 3-1)七位 連一 メディアファクトリー 2007-09売り上げランキング : 163242Amazonで詳しく見る ...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [七位連一] 地を駆ける虹

Search
お気に入り

虜囚の姫と疎まれる第二王子の旅路を描くファンタジー。

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫) - 淡路 帆希

オーソドックスではあるんですが、各キャラの心の変化が丁寧に描かれていて、とてもいい。切ないお話ではあるんですが、最後の心に温かいものが残りました。大切にしたい思いが詰まってるお話です。 → 感想


まさかこんな素敵な青春物語が読めるなんて!

電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)

甘酸っぱく、時に遣りきれない思いに苛つくこともあるけど、高いところから飛んでしまうような青春模様が素敵でした。笑いも沢山あるし、ほんと面白かった。とてもオススメ。


聡明であるが故に孤独な少女プルーデンスと、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人が、鳥の塔に至る迷宮の謎に挑むファンタジー

鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)

世界観といい雰囲気といいハマりまくりです。知識を持つが故に、両親や兄から疎まれて、家族といても孤独を感じていた少女なんですが、それをぐっと堪えて、誇り高さを忘れない姿勢が素敵でした。続きが出てくれると最高に嬉しいです。→感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top