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[野島けんじ] きゅーきゅーキュート!5

夏休みも終わり、二学期を迎えた。いまだ普通化に籍を置く理刀は、なんとかスターライトになりたいと思っていたが、能力値測定はまたもや99のまま。皆の態度は変わらないけれど、焦燥感は拭えない。一方、キュートは、浮遊島の件から、理刀のことを変に意識しはじめ、ドキドキする気持ちを抱えながら、毎日を過ごしていた。
そんなある日、フォンターネ家の次女カカが学院を訪れて、学院近辺にいるという妖精五体を捕まえるという「妖精捕獲大会」が開催されたが、なぜか理刀は参加を許されず……

いやあ、キュートの乙女心が可愛いなあ。理刀の姿を見るだけでドキドキ、理刀がいないときはいろいろ妄想してニヤニヤと、完全に恋する乙女ですね。どうすればいいのかと本に頼ったり、毒舌丸に相談したりと、初々しい反応が微笑ましいです。

一方の理刀は、なかなかみんなと同じクラスへと上がれないことに、落ち込んでたわけですが、迷う方向が間違っていることに気づいてく、キュートとのやり取りが良かったなあ。迷いを吹っ切る言葉ではあったけれど、やっぱり好きな人の言葉って、一番スッと胸に入ってくるんですよね。こういうさりげない描写が好きです。

そんな微笑ましい空気が流れる中、フォンターネ家の次女カカがこちらに来たんですが、理刀と絡んでいるときは、男前な姿には、惚れ惚れさせられるものの、プロローグの話や毒舌丸に対する態度を見てると、不穏なものが感じられて、キュートに何をしでかすのかが怖かったですね。

おそらくキュートに何かを仕掛けてくるであろう「妖精捕獲大会」なので、警戒して読んでたんですが、いや、やられました。妖精探知のために獣耳と尻尾が生えてくるって!しかも全員!思わず反応してしまう自分がいる……でも、かわいいからいいや。

妖精捕獲大会の間でも、裏でいろいろ動きを感じましたが、そのあたりはどうでもよくて、個人的に好きなシーンは、黒媛VS巴のところですね。強敵と書いて友と読むじゃないですけど、臆病さで力を発揮できなかった巴の成長を感じられて、その成長を喜ばしく思う友情が見れて、ほんと良かったです。ほとんどキュートと理刀のことしか描かれてない本作なのに、やってくれるぜ。いや、僕が黒媛好きってのもあるんですけどね。

最後のキュートの戦いには、すごいじゃないかと賞賛したくなりましたが、ここからが心に痛かったなあ。きっかけを得て、ようやく理刀への思いに一歩進もうとした直後なだけに可哀想で可哀想で。理刀からしても目の前で好きな人が、ああなってしまっては……。

まさか途中で終わるとは思っていませんでしたが、カカの目的というか思惑については、わかりきってないところがあるし、もちろん、理刀だってこのまますませるつもりはないでしょう。続きがとても楽しみです。

【MF文庫J】きゅーきゅーキュート!5 (MF文庫 J の 2-12) - 野島けんじ

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