そこはひどく暗い世界だった。空気も濁っているのか呼吸がしづらい。そして、そこにはハヤミが、一本釣が、五寸釘が、さらに槍ヶ岳の姿があった。ここは第二世界?要するに自分は、詰草にだまされたわけだ。ショックを受けた鉄平だが、すぐに気づいた。目の前には槍ヶ岳がいて、五寸釘がいるのだ、これはチャンスなのでは?
難しく考える必要はない。成すべきことはたったひとつなのだから……
というわけで、最終巻。みんなの記憶を取り戻して、内界人の陰謀を叩き潰すために、第二世界の鉄平たちと、外世界のゆかりたちが、奮闘するお話です。サクラサク上等どころか、リベンジ上等という感じでしたね。
待ち受けてるゆかりとの未来のために、迷い迷っていた鉄平が、ひたすら立ち向かっていく姿がいいです。
五寸釘の考え方は、決して間違ってなくて、でも、鉄平の考え方も間違ってるとは言えないものがあるだけに、ぶっちゃけハヤミの言うとおり、どちらが正しいという問題ではなく、勝ったほうが正しいというお話は、シンプルでわかりやすい。ただ、ちょっとこねすぎてて、熱気が冷めちゃうところがあったのは勿体なかったかな。
露草の心変わりとかは、微妙に都合良いところが多かったんですが、相手への思いを胸にして、戦うことを決意する似たものカップルに当てられちゃう気持ちはわかるなあ。何だかんだ言いながら、まっすぐな連中がそろってるんですよね、ここには。
記憶が復活した後の文七と柚子を見ていると、じわりと来るものがありました。
復活といえば、自分でも驚いたのは、槍ヶ岳の復活シーンですね。あまり好きなキャラクタじゃなかったのに、「大変お待たせいたしました」という言葉を聞いたときには、ゾクゾクしてしまいました。心のどこかで待ち望んでいたのかもしれません。
死を覚悟してでもカッコつける姿は、この人も同じなんだなあと思えたところが、たまらなくよかったです。
ああ、楽しかった。熱き者たちの戦いは、やっぱり引き込まれるものがありますよね。最後は予想通りですが、大団円に満足です。
これでシリーズ終わりってことなので、次にどんな物語を作り出してくれるのか楽しみですね。
サクラサク上等。
三浦 勇雄
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