Home > ライトノベル > [日日日] 蟲と眼球と白雪姫

[日日日] 蟲と眼球と白雪姫

瓦礫に潰されて動けずにいたらしい。欠片が減っていることに気づいていたが、それ以上に殺原蜜姫は、姉の美名がいないことが不安だった。 ジャマするように出てきた化け物を力を振り絞って倒したとき、目の前に美名が立っていた。喜び近づいた蜜姫の胸板を貫いたのは、その美名の手で……

林檎の欠片を狙うものたちの物語の最終巻です。

欠片に関係した人々を残酷なまでに痛めつけていく「最弱」ですが、敵となる相手を倒したことによる快感よりも、むしろ心の痛みのほうが伝わってきました。手にかけることを決意したときには、もう戻れなかったんだろうなあ。
グリコ、殺菌消毒、不快逆流、一人部屋、破局、涙歌、最弱と、それぞれの胸のうちが見えてくる話に、胸が苦しくなります。

ひとつ、またひとつ人と欠片が消えていく中、一番心にきたのは「殺菌消毒」ですね。己の欠点に気づきながらも直せなかったこと。大切な存在である妹のこと。他人が嫌いだったこと。でも今は……。まさか、あの「殺菌消毒」がこれほどまでに「幸せ」と「生きること」を実感させてくれる言葉を紡いでくれるとは思いませんでした。
幸せをかみ締めながらの決意と覚悟に、目頭が熱くなります。

いったい今何が起こっているのかが、わからないまま進む展開に、グリコ同様もどかしさを感じますが、まさかそっち方面に行くとは思いませんでした。う~ん、どうなんだろう。ここまで人間ドラマで盛り上がっていたので、ちょっと拍子抜けな感があるんですが……フォローが入ってるので、まあいいか。

最も近くにいる最愛の人と友人に出会えないのは切ないかもしれませんが、新たな出会いがまた新たな物語を呼んでくれるんでしょうね。またね、という最後の言葉が、心に響くぐらい素敵でした。
シリーズの 1巻目を読んだときは、微妙に思っていただけに、ここまでの物語を紡いでくれた著者に、感謝したいと思います。次はどんな物語になって戻ってきてくれるんでしょうか。とても楽しみですね。

虫と眼球(めだま)と白雪姫 - 日日日

蟲と眼球と白雪姫
日日日

メディアファクトリー(文庫)
Amazon | bk1


booklines 関連エントリー
日日日 / MF文庫J / ライトノベル

Home > ライトノベル > [日日日] 蟲と眼球と白雪姫

Trackback:2

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1326
Listed below are links to weblogs that reference
[日日日] 蟲と眼球と白雪姫 from booklines.net
蟲と眼球と白雪姫/日日日 from ラノベ365日 2007-01-04 (木) 01:07
蟲と眼球(めだま)と白雪姫日日日 メディアファクトリー 2006-12by G-Tools 【鈴音を助けだそうと、グリコたちは街に溢れ出すバケモノの中を...
蟲と眼球と白雪姫 from MOMENTS 2007-01-20 (土) 14:42
読了。 日日日による各種シリーズの中で、初めての完結作品となったわけですが。 まさかこういうオチを持ってくるとは思いませんでした。予想の斜め上。 展開とか...

Comment:2

蜘蛛使いの少女 2007-07-15 (日) 00:16

初めまして 眼球シリーズを全巻読みました 面白かったです。あれでお終いと思いきや・・・コミックしているではありませんか! 今後の展開を楽しみにします。では!

deltazulu 2007-07-15 (日) 09:13

はじめまして。そういえば、コミック化もしてるんですよね。そっちまでなかなか手が伸びませんが、いつか読んでみたいですねぇ。
どんな雰囲気になってるのか楽しみだったりします。

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [日日日] 蟲と眼球と白雪姫

Search
お気に入り

虜囚の姫と疎まれる第二王子の旅路を描くファンタジー。

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫) - 淡路 帆希

オーソドックスではあるんですが、各キャラの心の変化が丁寧に描かれていて、とてもいい。切ないお話ではあるんですが、最後の心に温かいものが残りました。大切にしたい思いが詰まってるお話です。 → 感想


まさかこんな素敵な青春物語が読めるなんて!

電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)

甘酸っぱく、時に遣りきれない思いに苛つくこともあるけど、高いところから飛んでしまうような青春模様が素敵でした。笑いも沢山あるし、ほんと面白かった。とてもオススメ。


聡明であるが故に孤独な少女プルーデンスと、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人が、鳥の塔に至る迷宮の謎に挑むファンタジー

鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)

世界観といい雰囲気といいハマりまくりです。知識を持つが故に、両親や兄から疎まれて、家族といても孤独を感じていた少女なんですが、それをぐっと堪えて、誇り高さを忘れない姿勢が素敵でした。続きが出てくれると最高に嬉しいです。→感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top