みなで年越しを過ごすために大掃除をしていた嘉和家は ―「ねこもはしるねんまつでし?」
実はあの時世界の裏側では―「しられざるせかいのうらがわ?」
最初に作られたアシストロイドが地球にやって来ると聞いて ―「いだいなるさいしょのあしすとろいど?」
悪運紅葉として活動していたころの相手から手紙が来て ―「かこからなにかがおってくる?」
摩耶にあこがれていたらメイド候補になってしまったゆきちゃんは ―「ほそうでめいどしゃんはんぜうき?」
毎日同じ時間に姿を消す「6」ちゃんは―「あしすとろいどぶるぅす」
という 6編 + αからなる短編集。
みんなで大掃除しているだけの物語なのに、どうしてこんなにほっとさせられるんだろうと思ったのは「ねこもはしるねんまつでし?」。のんびりとした雰囲気の物語を読んでいると大らかな気持ちになっていきますね。両親を含めて全員集合しての年越しというのは賑やかでいいなあ。アオイの勘違い(でもないか)にムフフとさせられた。
一番好きなのは「あしすとろいどぶるぅす」ですね。こういった王道的な人情話をきっちり読ませて、かつ最後にグスっとさせてくれるところが大好きです。やっぱり涙を流すなら、嬉し涙のほうがいいですよ。別れという切なさもありますが、ハッピーエンドだと思います。
別れといえば「いだいなるさいしょのあしすとろいど?」も別れの物語といっていいかな。こちらは雰囲気がまるで違う感じ。切ないというよりは、寂しい感じですね。最後のページを読んで思わず涙が浮かんできたんですが、寂しさで涙が出てくるという自分の感情の変化がとても新鮮でした。
個人的にはアオイが好きなんで「かこからなにかがおってくる?」は結構楽しみだったんですが、ちょっと読みたいのと違ったかな。完全に過去の話か、あるいは現在の騎央との絡みを見てみたかったかも。まあ、「ほそうでめいどしゃんはんぜうき?」で赤面アオイが見れたのでいいですけどね。
やはり僕が著者に求めているものは、この雰囲気なんだよなあ、と思わせてくれる作品でした。たっぷり堪能させていただきましたよ。大変満足。
次は長編ですかね。楽しみです。
あそびにいくヨ! (9)
神野 オキナ
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