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[三浦勇雄] エトセトラ上等。

部活動には来るが、不登校を続けるあひるの助けになりたいと思った陽子だが……「ロンリネス上等!
補習に飽きた文七が屋上で出会った少女には、見えない友人がいるらしいが……「ゴースト上等!
久しぶりに大目玉に会ったゆかりだが、こちらの世界への移住を検討しているという話を聞いて……「裏クリスマス上等!
という三編 + プロローグの「サービス上等!」からなる短編集。普段光が当たらない人たち(といったら言い過ぎですが)、陽子、文七、大目玉 & ゆかりが主役となる物語ですね。

一番良かったのは何と言っても「ロンリネス上等!」です。
イジメを受けているらしいという少女の助けになりたいけれど拒絶され、どうするべきかと迷う陽子が描かれますが、まさに文七の言うとおりなんですよね。たいていどうすべきかは既に自分で決めていて、あとは一押しして欲しいだけなんですよね。助けになりたいという思いがとても良かったです。

鉄平が出ないから熱い展開にはならないかと思ったら、そこは上等シリーズ。短編であっても、お人好しな陽子であっても、畳み込んできてくれます。まさか琴を使ってくるとは思わなかった。あひるを思って投げかけた言葉を聞いたら、思わずじーんと来てしまいました。
いい子だなあ。もう少し気にかけてあげてとゆかりに言いたくなってきます。

文七が主となる「ゴースト上等!」もなかなか面白かったですね。自分にしか見えない友達がいると言われても、なかなか信じられませんが、少しずつ少女に会うのが楽しみになっていく文七の気持ちがわかります。説得シーンがちょっとこなれてない感じを受けましたが、うまくまとまって良かったです。ひょっとしたら、恋人関係になるのかなと楽しみ。

大目玉がこちらの世界に移住しようする「裏クリスマス上等!」でのゆかりの気持ちはとてもよくわかります。押し付けかもしれないけれど、理想の人にはそのままの姿でいて欲しいですよね。
逆に大目玉としても見られたくなかった人に見られてしまったことが、吹っ切れたと言うか開き直れたと言う感じになってしまったんだろうなあ。
あの台本はどうかと思いますが、無表情でゲヘゲヘ言う大目玉が何か……良かった。一番良かったのは、かつて自分が言われた台詞を、大事なこの時に使ったゆかりですけどね。
最後の決めポーズは三編の中で一番かっこいいです。

ページ数だけでいったらたいしたことがないのに、とても短編とは思えないボリューム感があります。長編のようなジェットコースター展開ではありませんが、かなり良かったです。ひょっとしたら短編(というか中編)ぐらいの長さのほうがいいのかもしれないと思ったぐらい。
次は今回の短編集に負けないような、熱く激しい長編を期待したいですね。

エトセトラ上等。 -

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