「本当、馬鹿だなぁお前って」
目を開ければ、色っぽさを纏ったようなルークの顔がすぐそこにある。
「でも大丈夫、理性を失っても、お前を傷つけないって約束する」
人と魔族の間に協定を結ぶ。先代の王たちの約定を守り、やってきた魔族の王子ルーク。ところが、婚約相手の第一王女と間違えて、泣き虫な第二王女ラズシエルにキスをして……勘違いから、諍いと恋いが始まるお話です。
これは面白かった。
第一印象が悪かったおかげで、目を合わせればツンとそっぽを向いていた二人でしたが、ちょっとしたきっかけから、だんだんと言葉を交わし合い、気になる存在になっていくというのは、オーソドックスではありますが、良かったです。
魔族なんてと思っていたラズは、魔族が人にどんな扱いをされているか目の当たりにし、そのことに傷つくルークを見て。一方のルークは、誰もが避ける魔族に対して普通に接してきたかと思ったら、何かと涙を流すラズが放っておけなくて。
ふたりの気持ちがとても伝わってくる距離の縮め方が好きでした。
お互い気になりはじめたことを自覚したときに、ルークの秘密が暴かれたことで、ギクシャクした雰囲気になりましたが、自己嫌悪に陥ったラズを慰め、最後には結ばれたふたりに、うふっとなりました。
エピローグのシーンでのラズの姉の仕打ちが、とてもステキでしたね。妹の幸せを思う冗談が素晴らしかったです。
魔王子の花嫁 (ティアラ文庫)
七海 ユウリ
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