「真珠が欲しいのではありません。私は……真が欲しいだけです」
「約束する。香蓮以外のどんな女にも、真は捧げぬと……」
新帝を迎えるにあたり新妃を選ぶとして、国中から少女が集められた。家名のために男として育てられた香蓮も、後宮へあがることになったが、つい男勝りなことをしてしまい……男気と乙女心が満載な中華宮廷ファンタジーです。
これは面白かった。
妃に選ばれるために、皆が白粉はたいて少しでもきれいに見せようとする中、男らしさを発揮する香蓮が、とても痛快です。襲われたらやり返して、はては脅迫までするんだから、どんだけ強いんだよとニヤリ。
そんな香蓮に惚れてる許嫁の桃花(香蓮は男として育てられたので、許嫁は女です)もいい味を出してたなあ。
香蓮にじゃれつくところは、子供っぽくもあったけど、女の子らしい、したたかさも持ち合わせていて、思わずクスっとなってしまう。
途中、嫉妬から香蓮に当たることもあったけれど、人を好きになったところから、だんだんと大人になっていく様子がうかがえたのが良かったです。
さてさて、男勝りな香蓮もまた恋をして。
はじめは息苦しい後宮から抜け出すためという言い訳を、やがて自分の中にある女に気づいていく展開は、とてもステキで、はじめて唇を重ねたところには、きゃーと騒ぎたくなりました。ああ、これはいい。
幸せが一瞬にして失われそうになるところは、とても心苦しかったですが、自分の気持ちに正直になった男女が、結ばれていく姿は、愛しさが伝わってきて、良かったです。
突然、そういったイラストがでてきたときはびっくりしましたけどね!
まあ、個人的な欲を言うなれば、皇帝の傍で、という未来もみてみたかったけど、まあそれはそれ、かな。ひょっとしたら、数年後にあったという後宮の改革話に、香蓮と勇波が何か関わってるんじゃないかと勝手な想像をして楽しんでたりする。あー、そういう続編が読みたいな。とても面白そうです。
華の皇宮物語 (ティアラ文庫)
剛 しいら
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