うだるような暑さにうんざりしながら部屋で寝ていた路洋は、小学校以来久しく会っていない福井の電話に起こされた。暑さと、相手の卑屈な言葉に苛立ちながら、何の用かを聞いたとき、戦慄が走った。
「忘れたのかい。魔女だよ。魔女が帰ってきたんだ」
なぜあんな大事なことを今まで忘れていたのだろう。かつて、俺たちが小学校のころ、魔女と呼ばれた人とのあの日のことを……
巷で騒がれている連続殺人事件の犯人は、路洋たちが小学生のころ死んだはずの佐場の「魔女」じゃないかという疑惑が生まれて、忘れていた過去を思い出していくうちに、魔女の仕業と思わしき出来事が……というお話なんですが、いやあ、すばらしかった。読んでる最中から興奮しっぱなしです。ああ、何て恐ろしくも魅力的なお話なんでしょう。
魔女なんているわけないと思っているのに、現在と過去の符号に気づいて、もしかしてという思いが、だんだんと膨れ上がっていく描写は見事です。じわじわと迫りくる怖さがたまりません。視覚的なもののみならず、臭いまで感じさせてくれましたね。ちょっとしたことで、思わずビクッとしてしまうような雰囲気が絶品でした。
魔女と関わった六人の子供はみな、家庭の事情を抱えているんですが、これがまた重いんです。子供のころだったからこそ逃げることができた道が、大人の階段を上り始めた高校生のころだと、動けなくなるところとか、やるせない思いになりますね。
大人への不満とか、子供であることの負担とかいろいろありましたが、許せることができるっていうのは、やっぱり大きいんですね。呪縛から抜け出せたことが感じられるところには、何とも清々しい気持ちにさせられました。
その清々しさをたった一瞬で変化させるラストが素晴らしかったです。「魔女」の意味をそう持ってくるか!ってところで、もう文句なしでしたね。ミステリーテイストも忘れない素晴らしき幻想ホラーでした。そっち方面好きな人なら、大いに楽しめると思います。
超オススメ。
魔女を忘れてる (Style-F)
小林 めぐみ
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- m 2007-07-21 (土) 16:18
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ありがとうございました。買うことにしました。
- deltazulu 2007-07-22 (日) 20:14
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良き出会いとなることを祈ってます。








