「私のこと、今でも好きですか?」
マンションに存在しないはずの13階に足を踏み入れることができた人たちの恋愛物語の最終巻です。
冴子の出来事がこんなにも健一の心を動かすとは思わなかったなあ。違和感というと語弊があるけれど、健一について大きく印象が変わった出来事でした。それだけ13階での生活に依存していたということなんでしょうね。
今までの生活を失っていくことに対して、健一が揺れ動く姿はとても痛々しくて、綾や刻也との間にさえも溝を生み出していくところには見ていられないものがありました。
あのときの彼は間違いなく自暴自棄だったと思います。それでも、立ち直ることができたのは、千夜子ちゃんのおかげですよね。彼女の強さは、支えるための強さで、ほんと素敵でした。
ああ、やっぱりヒロインは千夜子ちゃんだったんだなあ。それだけで満足です。
またエピローグが素敵なんだ。あれから少し時が経ち……集まったみんなが、健一に声をかけていく。ただそれだけなのに、温かさを感じてしまいました。心憎い演出をありがとうと千夜子ちゃんに言いたいです。
最後はちょっと蛇足な感じがしないでもないけど、ま、これもROOM NO.1301っぽいかな。
ROOM NO.1301 #11 彼女はファンタスティック! (富士見ミステリー文庫)
新井 輝
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