Home > ライトノベル > [上月雨音] SHI-NO ―シノ― 空色の未来図

[上月雨音] SHI-NO ―シノ― 空色の未来図

「で、話ってなんだ?正月の一日目に呼び出したんだから、よっぽどの事だろ」
「詩葉かあの年賀状について」
雄一郎の表情から、人懐っこい笑みが消えた。
「そうか、そりゃそうだよな。お前のところに届いてないはずがない」
「なんでそう言いきれるんだよ」
「俺のところに来たんだ。なら、お前のところにも届いてる。これは絶対だ」

大学生の「僕」と小学生の志乃ちゃんが繰り広げるミステリーテイストな恋愛物語。今回は、故郷に戻った僕の元に、亡くなったはずの高校時代の彼女から年賀状が届いて、というお話です。

いつもなら、志乃ちゃんに振り回される形で、事件にかかわっていく「僕」が、物語の中心となるのは、なんとも新鮮ですね。故郷に戻ったってこともあって、志乃ちゃんが側にいないんですが、彼は志乃ちゃんがいないほうが、頭がしっかりするのかもしれないと思ったのは、僕だけじゃないはず。

死者からの手紙なんてあるわけがなく、ならば誰がこの手紙を出したのかと、当時の友人や関係者たちを年賀ついでに回っていき、懐かしさを覚えつつ、亡くなった彼女のことで胸を痛める描写がとてもよくて、切ない雰囲気に浸ってたら……、志乃ちゃん、君は時々とってもびっくりさせてくれるよね。

いつもと違う「僕」の様子に、何となく違うものを感じたのは、女の勘ってやつでしょうか。表情こそ変わらないものの、どこか、こう、嫉妬というかなんというか、そういうものを感じて、ちょっとうふふとなってしまいました。

「僕」は過去にかかわる人たちを追い、志乃ちゃんたちは過去の人からの挑戦を受けてと、二手に分かれて、謎を追いかけていくうちに、時にすれ違うところには、もどかしいものを感じたりするんだけれど、「家族」としての温かさを取り戻すために動いた「僕」の姿が、その結果、手を取り合うことができた家族の姿が、とても印象的でした。

「僕」のパートと志乃ちゃんのパートが、雰囲気違いすぎて、いまいちしっくりこなかったのが、個人的には残念ですが、まあ、志乃ちゃんの意外な一面が見えたのでいっか。
とりあえず、志乃ちゃんのくしゃみは、反則級にかわいいことを記しておく。

SHI-NO-シノ-空色の未来図 (富士見ミステリー文庫 76-8) - 上月 雨音

SHI-NO-シノ-空色の未来図 (富士見ミステリー文庫 76-8)
上月 雨音

富士見書房(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[上月雨音] [SHI-NO―シノ―感想一覧] [富士見ミステリー文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [上月雨音] SHI-NO ―シノ― 空色の未来図

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2552
Listed below are links to weblogs that reference
[上月雨音] SHI-NO ―シノ― 空色の未来図 from booklines.net

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [上月雨音] SHI-NO ―シノ― 空色の未来図

Search
お気に入り

左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!下巻が今から楽しみです。超オススメ!→上巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


わくわくするような大冒険がしてみたいな

時載りリンネ! 1 (1) (角川スニーカー文庫 203-1)時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)

本を読むことで、滋養と時を操る力を得る「時載り」一族。読書よりも遊ぶことのほうが大好きという、おしゃまな女の子・時載りのリンネと、彼女に振り回される男の子・久高が繰り広げる冒険物語。どの年代の人が読んでも楽しめる最高のジュブナイルです。→感想


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top