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[上月雨音] SHI-NO ―シノ― 夢の最果て

とある会社のCEOである志乃ちゃんのお母さんが招待されたパーティに、志乃ちゃんと彼女の面倒を見る僕も参加した。なんとそこには、鴻池先輩も出席してて、気後れしてた僕は、ほっと一息ついていた。だが、そんな平穏な時間は長く持たなかった。そろそろ帰ろうかとホールから出たそのとき、女子トイレの方角から悲鳴が聞こえ、踏み込んでみたら、そこには銃で撃たれた女性がいて……

とあるパーティ会場のトイレで女性が銃殺されて……というお話ですが、今までにないぐらいミステリーな雰囲気が漂ってたなあ。防犯カメラを見る限り、死亡推定時刻の時間帯に、トイレに入った人は一人。でも、それは状況証拠でしかない。みたいなところから、犯人と思わしき人を追い詰めようとするんですが、届きそうで届かないところが、何とももどかしく、でも面白かった。
いつもはすべてを見透かしてるような志乃ちゃんが、制限時間や情報不足やらで、あまり前に出てこれなかったのも、いい具合に謎を引っ張ってくれましたよね。

そんな状況でしたが、今回は志乃ちゃんよりも、鴻池キララ先輩が目立ってたなあ。ドレスで着飾ると目を見張るような美人になったり、おうちの事情が明かされたり、自宅を初公開してくれたり、ガタイのいい男を引きつれてきたかと思いきや、幼いころの夢を今なお追っていく姿など、今まで以上に魅力を見せてくれました。あー、なんかいいなー。
シノシノとくっつくよりも、先輩とくっついて、シノシノが二人の子供になるというシチュエーションが一番いいかもしれないという妄想が生まれてきた。

ともあれ、志乃ちゃんが犯人を追い詰めていくわけですが……、このあたりはちょっとスカされた感じでしたね。いや、志乃ちゃんの快刀乱麻な活躍を期待してたら、ハッタリみたいなもんだったので、物足りなかった。せっかくいい具合に盛り上がってたのになあ。

ただ、最後に正しくも、残酷な手段で、犯人を追い詰めていく志乃ちゃんは、素敵に恐ろしかった。それまでは、どこか僕方面に寄りそってきたんじゃないかなと感じられてただけに、ザクっと突き刺す言葉が、心に痛かったです。

こういうのを見ちゃうと、志乃ちゃんはどこへ向かおうとしてるんだろうなあと考えてしまいますが、いまいちわかりませんね。あとがきによると、そろそろ物語りも佳境を迎えているらしいので(どのあたりがなんだろ?)、どうなっていくのか期待して待っていたいと思います。

SHI-NO夢の最果て (富士見ミステリー文庫 76-7) - 上月 雨音

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