Home > ライトノベル > [新井輝] ROOM No.1301 #9 シーナはヒロイック!

[新井輝] ROOM No.1301 #9 シーナはヒロイック!

ライブの疲れが残りながらも冴子と寝たのは、ひょっとしたら興奮が冷めることを恐れた自分のわがままだったのだろうか。冴子との会話から、再び恋愛について考え始めた健一は、綾とのやり取りを経て、ひとまず落ち着きを取り戻した。今、できないからといって焦る必要はないのだ。
お礼というわけではないけれど、ちょうどいいきっかけだったので、健一は綾と先日約束した中華街へ行く事にしたが……。

マンションに存在しないはずの13階に足を踏み入れることができた人たちの恋愛物語。
今までは恋愛について考えながらも、周囲の状況に流されたままでしたが、今回はちょっとだけ変わったかな。一歩踏み込むというか、広がったというか、そういう考え方をするようになってきたような気がします。やっぱりライブで気力を使い果たしたという影響は、大きいものがあったんだろうなあ。
ただまあ、考え方がチラッと変わったところで、流されるところは流されるわけですが。

綾さんとの話は、ちょっと以外でしたが、彼女の不安と勇気を分かってしまったら、振り払う事なんてできませんよね。個人的には、綾さんに良かったねと言いたくなります。ただ、千夜子ちゃんがいるから素直に喜べない……うーん。

その千夜子ちゃんは、とても素敵だったなあ。何を本当に望んでいたのかを思いださせる千夜子の言葉は、健一を見ていた人だからこその思いが伝わってきました。千夜子ちゃんが側にいてくれるからこそ、健一はこちら側にいられるんじゃないかと、蛍を思い出して危うい揺れ方をする健一を見て思いました。
いろいろ不安を思わせる描写がありますが、頼むから彼女の手は離さないで……と願いたくなります。

前作ではライブシーンで涙させられたんですが、ライブのTV放送が流れた今作でも、同じように泣かされました。シーナの歌もさることながら、バケッツとしての演奏を客観的に聞いた健一の心境にやられました。未体験ゾーンだから理解できるとは言えないけれど、感動が伝わってくる演奏に痺れます。鍵原の真面目な応援にも不意をつかれてグッとさせられたり。

ここでの盛り上がりがあったから、日奈の決意には、ひょっとしてと期待させられるものがありましたね。いや、プロローグで既に結果を知っているんですが、それでも、いい意味というか、しかたないかと思えるような方向にいくのかと思っていたんですが、まさか思いを届けることすらできないとは……。ない思いを重ねてきただけに、この結末には苦しくなるばかり。

絶望に浸る日奈の手を取ってくれる人がいたことは良かったと思うんですが、よりによって相手が……。こうなると、次はシーナではなく、日奈を相手としての話になるんでしょうか。どうなるかまるでわからないだけに、気になるばかりですね。続きが待ち遠しいです。

ROOM NO.1301 #9 (9) (富士見ミステリー文庫 16-18) - 新井 輝

ROOM NO.1301 #9 (9) (富士見ミステリー文庫 16-18)
新井 輝

富士見書房(文庫)
Amazon | bk1


まるで関係ないけれど、僕も千夜子ちゃんは、出来ちゃった結婚とかそういったことを話したらいけないキャラだと認識中。

関連エントリー
[新井輝] [ROOM NO.1301シリーズ感想一覧] [富士見ミステリー文庫] [ライトノベル]

そういえば、ドラマCDは、もう三巻まで出てるんですね。早いなあ。

Home > ライトノベル > [新井輝] ROOM No.1301 #9 シーナはヒロイック!

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1987
Listed below are links to weblogs that reference
[新井輝] ROOM No.1301 #9 シーナはヒロイック! from booklines.net
ROOM NO.1301 #9 シーナはヒロイック! from MOMENTS 2007-11-23 (金) 21:04
シーナ&バケッツ メジャーへの道! そして日菜の恋の行方は? シーナ&バケッツのTV放送のための収録が終了した。健一は変わってい...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [新井輝] ROOM No.1301 #9 シーナはヒロイック!

Search
お気に入り

虜囚の姫と疎まれる第二王子の旅路を描くファンタジー。

花守の竜の叙情詩 (富士見ファンタジア文庫) - 淡路 帆希

オーソドックスではあるんですが、各キャラの心の変化が丁寧に描かれていて、とてもいい。切ないお話ではあるんですが、最後の心に温かいものが残りました。大切にしたい思いが詰まってるお話です。 → 感想


まさかこんな素敵な青春物語が読めるなんて!

電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男〈2〉 (電撃文庫)

甘酸っぱく、時に遣りきれない思いに苛つくこともあるけど、高いところから飛んでしまうような青春模様が素敵でした。笑いも沢山あるし、ほんと面白かった。とてもオススメ。


聡明であるが故に孤独な少女プルーデンスと、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人が、鳥の塔に至る迷宮の謎に挑むファンタジー

鳥は星形の庭におりる (講談社X文庫―ホワイトハート)

世界観といい雰囲気といいハマりまくりです。知識を持つが故に、両親や兄から疎まれて、家族といても孤独を感じていた少女なんですが、それをぐっと堪えて、誇り高さを忘れない姿勢が素敵でした。続きが出てくれると最高に嬉しいです。→感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top