何でも、透たちが通っている学校にある人体模型は、かなりいい値段になるらしい。安く仕入れた人体模型とプレミアがつくほどの人体模型をすりかえるために、透と響は夜の学校へと忍び込んだ。うまく手に入れた……はずが、別の侵入者に邪魔されて、しかたなしに人体模型を別の場所へと移すだけで終わらせたが、次の日、学校へ訪れると、なんと二人が学校へ侵入した様子を写した写真が……
という「受難少年の貧乏くじファイル」を含む五編からなる短編集です。タイトルどおり、全部学校内でのエクサーなお仕事ですね。初っ端の二編以外は、エクサーしなくていいじゃんって思うけど、そこはお約束ってことで。
何といっても素晴らしいのは三編目「バカップルのお惚気ファイル」ですね。文化祭のときに、天文部の手伝いをすることになった透と響のお話なんですが、付き合い始めてそれなりに時間が経つのに、何ら進展がないふたりの戸惑う姿が見れましたね。そんなふたりには、本人よりも周囲の人のほうがやきもきしてたんだと思います。透と響が天文部の手伝いで忙しくしている中、兄の島木が現れて……というところからの展開は、ニヤニヤさせられるものがありました。
今までどおりでありながら、ちょっと素直になった透と響の作り上げる雰囲気は、素敵ですよねぇ。バカップルだなんてとんでもない。二人が出場したコンテストで、歓声に包まれる出来事は、むしろ嬉しかったです。
そんな面白さとは別に、ギャグ的おかしさで引きずり込んでくれたのは四篇目の「暴走少年の空回り脱線ファイル」。薫に告白した水島先輩と、薫を賭けて勝負をする総一郎のお話です。薫を取られたくないと、奮闘する総一郎の空回りっぷりが楽しい楽しい。やっちゃいけないだろうって方面に行ってしまうのは、焦りがあるからなんだろうなあ。「グッバイ・マイ・ラブ」には、吹き出してしまいましたよ。いつの間にやら恋愛評論家になった響の解説や、変な方向に暴走していく賭けの行方など、楽しい限り。
ま、最後はお約束ってところに落ち着きましたが、いつか思いが届くといいね、総一郎。
五編目の「少年少女のお宝発掘ファイル」は、それぞれの進路を決める時期に、二十年前に埋めたタイムカプセルを探すお話なんですが、最後のタイムカプセルのシーンがとても素敵でした。二十年前の手紙の何と純粋なことか。今は亡き、両親からの手紙の何と力強いことか。
きっと二十年後も。そう思わせてくれる二人の雰囲気に、羨ましさを覚えました。いやあ、良かったなあ。
あとがきにもあるとおり、例の頭痛ネタとか、未回収なものはまだありましたが、機会があれば、とのことなので、待ち続けていたいと思います。
学園三昧―エクスプローラー 5
北山 大詩
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